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健保ニュース 2021年12月中旬号

医療経済実態調査に健保連が見解
病院の黒字は近年で最高水準
診療側 補助金除く収支は悪化

中医協は3日、令和4年度の次期診療報酬改定に向けて、医療経済実態調査の結果に対する見解を支払側、診療側のそれぞれから聴取した。

支払側は健保連の松本真人理事が代表し、一般病院の収支は新型コロナウイルス感染症関連の補助金を含めると黒字であることや、一般診療所、歯科診療所、保険薬局とも一定の水準の黒字を確保しているとの分析結果を示した。

また、「単月調査」の結果から、直近の3年6月の医療機関等の損益状況は、コロナ前後の元年6月、2年6月と比較し概ね堅調に推移しているとした。

診療側は、「医療現場は感染リスクや風評被害に耐え、必死で新型コロナウイルス感染症に立ち向かってきたが、それに応える手当てが十分でないことが改めて明らかになった」と主張。

地域の医療と従事者、国民の安全を守るためには、適切な財源が必要とし、「今回の診療報酬改定では、プラス改定しかあり得ない」と強く訴えた。

2年度損益差額率について健保連は、一般病院の構成割合を補正すると、全体で1.2%の黒字、国公立を除くと2.8%の黒字となり、「平成25年度以降で最も高い水準だった」と指摘した。

開設者別にみると、医療法人・公的・その他は1.2~5.4%の黒字の一方、公立は▲7.3%の赤字となったが、元年度と比べると6.9ポイント上昇していると分析。

公立病院では給与費率が63.8%と依然として高い水準にあり、公的病院の給与費率(52.1%)と大きな開きがあると問題視した。

他方、診療側は、補助金を除く損益差額率は大きく悪化し、補助金を含めても赤字病院は4割を超えていると訴え、特に「急性期一般入院料」と「地域一般入院料」の損益差額率が横並びで悪化しているとした。

一般診療所については、健保連が「個人(28.8%)・医療法人(4.2%)とも有床無床に関わらず黒字だった」と指摘したのに対し、診療側は前々年度より黒字が縮小したほか、「発熱外来やコロナ患者を受け入れた施設で損益差額率がより低下し、コロナ補助金で挽回することができていない」との認識を示した。

歯科診療所は、健保連が「全体で20.4%の黒字で、元年度と比較し0.2ポイント上昇した」と分析したが、診療側は個人立歯科診療所の直近2事業年の医業収益はマイナス3.2%と落ち込み、コロナ関連補助金を加味しても依然として厳しい状況が続いているとした。

薬局は、健保連が「元年度と同水準の全体で6.7%の黒字」と分析したほか、法人は同一グループの店舗数が多い薬局ほど損益差額率が高く、同一グループ20店舗以上の保険薬局は9.5%の黒字に達していると指摘した。

また、調剤基本料別にみると「調剤基本料3─ロ(9.0%)」、立地別にみると「診療所敷地内(13.6%)」で損益差額率が高い現状も示した。

診療側は、個人立・法人立とも保険調剤にかかる収益が減少し、損益差額は悪化しているとして、厳しい経営状況が続いていると主張。

特に、地域の医薬品提供体制の中核を担っている小規模な薬局の損益差額の減少が目立ち、このままの状況が続けば今後の地域の医薬品供給に支障をきたすことになるとした。

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