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健保ニュース 2020年11月中旬号

健保組合の令和元年度決算見込
平均保険料率は過去最高
赤字組合が拡大

健保連は5日、記者会見を開き、「令和元年度健康保険組合の決算見込について」を発表した。それによると、元年度の経常収支差引額は2501億円で黒字決算となるが、黒字額が前年度に比べ551億円減少することが分かった。黒字組合は同65組合減の904組合、黒字総額は3464億円で前年度から335億円減少した。一方、赤字組合は同62組合増の484組合で、全組合の3割を超える。赤字組合の赤字総額は963億円で、前年度から216億円増加した。平均保険料率は0.01ポイント増の9.22%で過去最高となった。これで平均保険料率の上昇は12年連続となる。

保険料収入は8兆2438億円で、前年度から292億円減少した。反対に、保険給付費は4兆1177億円で、前年度から352億円増加した。支出の増加が収入の減少を上回り、健保組合全体の黒字額減少につながった。

高齢者医療への拠出金額は3兆4344億円で、前年度に比べ192億円減少したものの、義務的経費(法定給付費と拠出金の合計)に占める拠出金負担割合は46.0%と高い水準だった。また、拠出金負担割合が50%以上の組合は333組合で全体の24.0%を占める。依然として拠出金負担が健保組合財政を圧迫している。

保健事業費は3631億円で、前年度比122億円(3.5%)増と高い伸びを示した。厳しい財政状況においても、健保組合が積極的に加入者の健康維持・増進のために投資していることがうかがえる。

被保険者数は1641万5615人で前年度比33万6428人減、被扶養者数は1248万4303人で同33万8993人減となった。

保険料の基礎となる平均標準報酬月額は37万8182円で同5877円増加した。平均標準賞与額は118万1048円で同2万8877円増加した。被保険者1人当たりの保険料額は50万2190円で同8342円増となった。

一方、1人当たり保険給付費は25万840円で同7136円増、拠出金は20万9216円で同3054円増、保健事業費は2万2120円で同1173円増と、支出の増加も目立つ。

なお、対前年度比の数値の増減には平成31年4月1日の大規模2組合(加入者数計67万人)の解散が大きく影響することから、この2組合の影響を除外した増減額も参考数値として発表している。

令和元年度健保組合決算見込みについて(概要報告)(PDF)

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