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離れて暮らす親のケア vol.165

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

年末年始の帰省で親の異変を察知したら

年末年始に帰省する予定の人は多いのではないでしょうか。久しぶりに親と会い、「このままで大丈夫かな」と不安になることもあるかもしれません。

Tさん(50代)が今年の正月帰省での出来事を語ってくれました。70代の母親は戸建ての実家で1人暮らし。新幹線を利用し、片道3時間ほどかかります。昨年は子どもの結婚などで忙しく、1年ぶりの帰省となりました。「母はきれい好きなのに、ダイニングも和室も段ボールや新聞があちこちに置かれ雑然としていました。おせちは注文して用意してくれていましたが、冷蔵庫の中には賞味期限の切れたスーパーのお総菜などが入っていてびっくり。『疲れやすくて、外出するのがおっくう』と言い、なんだかやつれていました」とTさん。

Tさんは帰省から戻ってからも母親のことが気になり、翌月に有給休暇を取って、再度3泊で実家へ。母親を地元の地域包括支援センターに連れていき相談しました。「介護なんて必要ない」と母親は言いましたが、スタッフは「はい、介護は必要ないですね。これからも自立した生活を続けられるよう、介護予防のための運動教室に参加されませんか」と笑顔で提案してくれたそうです。

自治体が行う総合事業の「通所サービス」で、要介護認定を受けなくても利用できるものでした。「おかげで母は週に1回通うようになり、お友達もでき、元気を取り戻しています。あのとき、放置しなくてよかった」とTさんは胸をなで下ろします。

実家に帰省して、「あれっ?」と思うことがあったら、地域包括支援センターに相談しましょう。きっと、親の状況に合うサービスを提案してもらえると思います。

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