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離れて暮らす親のケア vol.159

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

本人を連れて行かずに介護の相談できる?

離れて暮らす親に会ったとき、「もしかして、心身が弱っている?」と心配になることがあるかもしれません。そんなときは、早めに専門家に相談したいものです。

Hさん(50代)の父親(70代)は実家で1人暮らしをしています。久しぶりに帰省すると、居間や台所にゴミが放置されていました。父親のベッドの周辺には、洗濯済みか否か分からない衣類がここそこに。なんだか元気もありません。

不安になったHさんが妻に電話すると、「地域包括支援センターに相談してみたら」と提案されました。地域包括支援センターとは、住み慣れた地域で安心して暮らすために、さまざまな相談に対応する公的な機関です。相談料は無料。おおよそ中学校区に1カ所あり、介護、福祉、医療の専門家がチームで支援してくれます。

早速、Hさんはインターネットで実家を管轄する地域包括支援センターを検索し、父親を伴って出かけました。しかし、父親はセンターに入った途端、しゃきっとして、担当者に聞かれることにしっかり答えます。混んでいた上、ひと通り説明を受けたところで、父親が「今後、何か心配ごとができたらお世話になります」と頭を下げたため、面談はあっという間に終了してしまいました。

高齢の人は、初めて会う人の前では、いつも以上に元気になることがあります。それに、本人を横にして「実は、様子が変なのです」とは言いづらいものです。次回は、Hさんが1人で行くのがよいかもしれません。介護サービスを入れるなど、事態の悪化を防ぐための方法や、受診に適した診療科についてもアドバイスをしてくれると思います。事前に電話でアポを取って出かけましょう。

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