健保ニュース
健保ニュース 2026年2月中旬号
6年度 健保組合医療費の動向
1.1%増の5.4兆円
外来は1.9%減
健保連はこのほど、「令和6年度健保組合医療費の動向に関する調査」を発表した。6年度の医療費総額は前年度比1.1%増の5.4兆円だった。医療費の伸び率は4年度が6.5%増、5年度が4.5%増と近年高い水準で推移しているが、医科入院外(外来)が1.9%減ったことが押し下げ要因の一つになったとみられる。また、医科入院外では1日あたり医療費が2.7%減少しており、加入者1人あたり医療費の減少(1.6%減)につながった。疾病分類別医療費は、「新型コロナ関連等」が大幅に減った一方、「呼吸器系疾患」が大きく伸びた。
診療種類別伸び率
入院は3.2%増
第Ⅰ部「令和6年度健保組合医療費の概況」は、1378組合の加入者2799万4149人(本人1673万2051人、家族1093万3851人、70~74歳の高齢者32万8247人)のレセプト(3億7995万3738件)をもとに分析した。
6年度の医療費総額は5兆4151億円で、前年度に比べ1.1%、590億円増加した。
診療種類別にみると、▽医科入院1兆2725億円(前年度比3.2%増)▽医科入院外2兆2756億円(同1.9%減)▽歯科6575億円(同4.5%増)▽調剤1兆1777億円(同2.8%増)▽訪問看護318億円(同15.8%増)─で、医科入院外のみ前年度から減った。訪問看護は二桁を超える高い伸び率となった。
加入者1人あたり
医科入院外は1.6%減
加入者1人あたり医療費は、▽医科入院4万5454円(同3.6%増)▽医科入院外8万1290円(同1.6%減)▽歯科2万3486円(同4.9%増)▽調剤4万2070円(同3.2%増)。
本人、家族、高齢者別にみると、本人は▽医科入院4万1898円(同3.6%増)▽医科入院外7万8805円(同0.0%増)▽歯科2万3930円(同4.1%増)▽調剤4万444円(同2.7%増)─だった。
家族は▽医科入院4万6217円(同4.5%増)▽医科入院外8万1157円(同3.7%減)▽歯科2万2353円(同6.2%増)▽調剤4万2771円(同4.4%増)。
高齢者(70~74歳)は▽医科入院20万1312円(同2.2%増)▽医科入院外21万2369円(同1.0%増)▽歯科3万8637円(同2.3%増)▽調剤10万1587円(同0.4%増)だった。
医療費3要素をみると、「受診率(千人あたり件数)」は、▽医科入院77(同1.2%増)▽医科入院外6863(同1.4%増)▽歯科1936(同3.6%増)▽調剤4696(同2.5%増)─で、全ての種類で増加していた。
「1件あたり日数」は、▽医科入院8.17日(同0.7%減)▽医科入院外1.34日(0.0%増)▽歯科1.43日(同2.1%減)▽調剤1.16日(同0.9%減)─で、医科入院外を除き減少した。
「1日あたり医療費」は、▽医科入院7万1801円(同3.1%増)▽医科入院外8846円(同2.7%減)▽歯科8501円(同3.5%増)▽調剤7692円(同0.9%増)─で医科入院外のみ減少した。
疾病別構成割合
新生物が15%で最高
第Ⅱ部「令和6年度疾病別医科医療費(調剤を含む)の動向」は、1304組合の加入者2557万433人(本人1547万4725人、家族1009万5843人)のレセプトデータ(2億2326万9160件)をもとに分析した。
疾病別医療費は、1枚のレセプトに記載された1ないし複数の傷病名のうち、医療資源を最も投入した疾病名を主傷病(代表疾病)として、1レセプト1病名に基づき集計している。
医科計の疾病分類別医療費は、▽新生物が4498億円(構成割合15.1%)で最も高く、呼吸器系疾患が3545億円(同11.9%)、循環器系疾患が2932億円(同9.8%)、内分泌・栄養・代謝疾患が2145億円(同7.2%)、腎尿路生殖器系疾患が2058億円(同6.9%)と続く。上位5疾病で全体の半数を占めた。
医科入院は、▽新生物2043億円(同21.2%)▽循環器系疾患1640億円(同17.1%)▽損傷・中毒・外因性763億円(同7.9%)▽消化器系疾患734億円(同7.6%)▽筋骨格系・結合組織疾患717億円(同7.5%)─の上位5疾病で全体の6割を超えた。
医科入院外は、▽呼吸器系疾患2879億円(同14.2%)▽新生物2455億円(同12.1%)▽内分泌・栄養・代謝疾患1945億円(同9.6%)▽腎尿路生殖器系疾患1704億円(同8.4%)▽消化器系疾患1302億円(同6.4%)─の上位5疾病で全体の半数に達した。
疾病別1人あたり
呼吸器疾患が大幅増
6年度と5年度続けてデータ提供のあった1283組合を対象に算出した医科計の1人あたり医療費は、新生物が1万7589円と最も高く、呼吸器系疾患(1万3865円)、循環器系疾患(1万1468円)、内分泌・栄養・代謝疾患(8388円)、腎尿路生殖器系疾患(8050円)の順に高い。
前年度に比べ、「新型コロナ関連等」が59.9%減と大きく減少した一方、「呼吸器系疾患」は11.2%増で大幅に伸びた。
この要因を医科計の医療費3要素の伸び率からみると、「新型コロナ関連等」は受診率(47.2%減)、1件あたり日数(9.6%減)、1日あたり医療費(16.5%減)の全てが大きく減少していた。新型コロナ感染症が5類感染症になり、診療報酬上の特例が段階的に廃止されたことが大きく影響したとみられる。
「呼吸器系疾患」は1日あたり医療費が3.3%減ったものの、受診率が13.2%増と大幅に伸びている。
入院の精神・行動障害
日数、医療費ともに最高
医科入院では、推計平均在院日数は、「精神・行動障害」の75.75日が最も長く、▽神経系疾患(15.87日)▽循環器系疾患(15.62日)▽筋骨格系・結合組織疾患(15.08日)─と続く。
1入院あたり医療費は、▽精神・行動障害(164万4733円)▽循環器系疾患(146万2618円)▽筋骨格系・結合組織疾患(113万3853円)─の順に高い。

