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健保ニュース 2026年2月中旬号

協会けんぽ運営委
8年度都道府県単位保険料率を了承
7支部は特例措置で据え置き

全国健康保険協会運営委員会(委員長・田中滋埼玉県立大理事長)は1月29日、協会けんぽの都道府県単位の令和8年度保険料率を了承した。保険料率を前年度から引き下げるのは40支部で、残る7支部は据え置いた。

厚生労働省は毎年度の都道府県単位の保険料率の増減を複数年度にわたり平準化する特例措置を新設する省令改正を2月下旬に予定している。厚労省は7支部について、規定通りに保険料率を算定すると前年度より高くなるため、特例措置を適用して検討するよう協会けんぽに要請していた。運営委は昨年末、平均保険料率の9.9%への引き下げを了承している。

協会けんぽの都道府県単位の保険料率は、年齢構成や所得などの地域差を調整した医療給付費の所要保険料率に、前期高齢者納付金など高齢者医療への拠出金や保健事業費、前々年度の収支差に応じた精算、保健事業の実績に係るインセンティブなどを加減算して算出する。厚労相の認可を受け、3月分の保険料(4月納付分)から適用される。

8年度の保険料率が最も高い支部は佐賀(10.55%)で、北海道(10.28%)、徳島(10.24%)、山口(10.15%)、大阪.鹿児島(10.13%)と続く。一方、低いのは新潟(9.21%)、沖縄(9.44%)、福島(9.50%)、岩手(9.51%)、茨城(9.52%)の順。

最高の佐賀と最低の新潟の差は1.34ポイントで、支部間の格差は前年度と同じだった。
 全国平均の9.9%を超えるのは22支部で、前年度と同数だった。

前年度からの引き下げ幅が大きいのは長崎(0.35ポイント減)、新潟・山梨(0.34ポイント減)、宮崎(0.32ポイント減)、福井・徳島・佐賀(0.23ポイント減)など。

特例措置を適用して前年度の保険料率を据え置くのは青森、秋田、山形、栃木、神奈川、島根、沖縄の7支部。協会けんぽは、前々年度の収支差に応じた精算の伸びが7支部で前年度に比べ高い傾向にあり、保険料率の増加につながったと分析している。

インセンティブにより減算対象になったのは13支部。減算幅が最も大きいのは新潟(0.21ポイント減)で、次いで島根(0.13ポイント減)、岐阜(0.05ポイント減)、山形・石川(0.04ポイント減)と続く。

残る34支部には一律に0.01ポイントが加算される。
 8年度の保険料率に対する各支部評議会の意見は、「妥当、容認」が42支部(前年度23支部)、「やむを得ない」が5支部(同24支部)で、「反対」の支部はなかった。

介護保険料率は、前年度から0.03ポイント増の1.62%。子ども・子育て支援金率は、政府が示した被用者保険の一律の率である0.23%とした。

船員保険については、同月26日の全国健康保険協会船員保険協議会での議論を踏まえ、「疾病保険料率」を10.10%、「災害福祉保険料率」を1.05%、両者を合わせた「一般保険料率」を11.15%とすることを了承した。いずれも前年度から据え置く。

委員から料率に対する異論はなかった。保険料率の増減を複数年度にわたり平準化する特例措置については、「結局は負担の先送りなので、期間も含め慎重に調整方法を検討すべき」「保険料率を調整する場合、次年度以降、どのように負担の平準化を図るか、支部に対する丁寧な説明と、ルールを定める検討が必要」といった意見があった。

また、支部間の保険料率の格差の縮小に向けた取り組みを求める声もあった。

国庫補助率見直しに警戒感

また、協会けんぽはこの日の運営委に、昨年末に閣議決定された8年度政府予算案を踏まえた収支見込みを報告した。この中で、上野厚労相と片山財務相との折衝に盛り込まれた国庫補助率の見直しの検討に対し、警戒感を示す意見が相次いだ。

厚労、財務両相の合意で、協会けんぽの国庫補助に対する特例減額措置について、8年度から3年間、毎年度500億円ずつ(計1500億円)上乗せすることになっている。

また、この3年間で、医療保険料率を含めた保険財政運営のあり方について、国庫補助率の見直しと併せて検討し、結論を得るとしている。

小林広樹委員(全日本学校教材教具協同組合代表理事)は、中小企業の経営は依然として厳しく、保険料率が下がっても生活への影響は小さいとして、「加入者の負担増を避けるため、国庫補助率を引き下げないよう強く要望してほしい」と主張した。

林鉄兵委員(連合副事務局長)は「今は財政が安定しているが、脆弱な財政構造に変わりはない」と指摘した上で、国庫補助率について「現行水準を維持し、中長期的な視野では引き上げを含め対応してほしい」と要望した。

田中委員長に発言を求められたオブザーバーの佐藤康弘保険課長は「委員の意見をしっかりと受け止める。3年後の対応は何も決まっていないが、協会けんぽの運営状況や予防・健康づくりの取り組み、賃上げの状況などを注視しながら検討する」と述べた。

委員の意見を受け、協会けんぽの北川博康理事長は「今後3年間は、今まで以上に緊張感を持って、国庫補助率の課題に取り組まなければならない」として、委員に協力を求めた。

また、加入者の健康づくりによる医療費の適正化や、それによる財政健全化に向けて意欲を示した。

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