健保ニュース
健保ニュース 2026年2月上旬号
構想区域の課題と対策
2027年度前半までに協議
35年に一定成果を目標
厚生労働省は1月28日の地域医療構想及び医療計画等に関する検討会(座長・遠藤久夫学習院大学長)に、地域医療構想調整会議(調整会議)の進め方を示した。各区域での課題設定とその対応案について、2026年度から27年度上半期をめどに調整会議で協議し、28年度中に新たな地域医療構想を策定する。検討課題はガイドラインに例示するとした。
新構想に基づく各区域の具体的な取り組みは、30年度から始まる第9期医療計画の検討過程で定め、35年までに一定の成果を得ることを目指す。
厚労省は調整会議での協議事項を▽現状把握▽区域ごとの議論とデータの確認・分析▽対応案の作成・協議▽地域医療構想の策定──に整理。人口推計や必要病床数の見込みなどに基づき区域ごとの課題を設定し、必要に応じた区域の見直しや医療機関機能の確保、区域特有の事情などについて、詳細なデータ分析をしながら協議する。
区域に関する協議では、都道府県の境をはさんで隣接する区域について、区域の統合はせずに、両区域の調整会議を一体的に運用するなど、区域の連携のあり方をガイドラインに盛り込む。
事務局の提案に対し、健保連の伊藤悦郎常務理事は「できるだけ早く地域の関係者で具体的な取り組みを共有しなければ、35年度までに一定の成果を出すのは難しい」と指摘し、「28年度から積極的に検討を進めることもガイドラインで想定しておくべきではないか」と提起した。
坂本泰三構成員(日本医師会常任理事)は「調整会議の活性化の支援策が不可欠だ」と指摘し、データ分析を担う人材の確保や育成体制の構築を求めた。
調整会議の協議事項
保険者協議会に定期報告
厚労省はこの日の会議で、調整会議での協議事項について、保険者協議会の場を活用して都道府県が保険者に定期的に報告することを提案した。
厚労省が示した論点は①調整会議での協議事項の保険者協議会への定期的な報告②調整会議への地域住民の参画③調整会議での市町村や介護関係者の役割の、新たな地域医療構想の策定に向けたガイドラインへの反映──の3点。
②は、都道府県全体と各構想区域それぞれの調整会議への地域住民の参画を提起した。新たな地域医療構想では、入院医療だけでなく、外来医療や在宅医療、介護との連携なども対象になることから、厚労省は医療関係者などに加え、「地域住民の参画がますます重要になる」と説明した。
③は調整会議に参画する市町村に求める役割として、▽市町村立病院の開設者としての観点だけでなく、将来にわたる地域全体の医療提供体制の構築や連携・再編・集約化に向けた取り組みへの協力▽介護保険事業の実施主体として、医療と介護の連携に向けた取り組みの推進──などを挙げ、ガイドラインに位置づけるとした。
いずれも構成員から異論はなかった。
健保連の伊藤常務理事は、①により、「保険者の中で情報を共有し、認識をすり合わせた上で代表者が調整会議に出席できるようになる」と評価した。その上で、外来医療や在宅医療の協議体での議論についても、同様に保険者協議会に報告するよう求めた。
また、全ての構想区域で保険者が調整会議に参画できるよう、保険者代表について、「今後は保険者協議会を通じて選ぶことを原則にすることも検討してほしい」と要望した。
松田晋哉構成員(福岡国際医療福祉大ヘルスデータサイエンスセンター所長)は②について、調整会議への地域住民の参画だけでは、地域医療構想に対する住民の理解は進まないと指摘。メディアの役割の重要性に言及し、「地域医療構想の目的や調整会議の進捗状況をメディアに伝え、地域住民に周知してもらうような枠組みも考えてほしい」と述べた。