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健保ニュース 2026年2月上旬号

地域で不足する医療機能の提供要請
米川副会長「多数区域」の運用も強化
医療部会「過多区域」の候補を了承

厚生労働省は1月19日の社会保障審議会医療部会(部会長・遠藤久夫学習院大学長)に、医師偏在の是正に向けて都道府県が指定する「外来医師過多区域」の候補を提示し、了承された。健保連の米川孝副会長は過多区域以外の「外来医師多数区域」でも、新規開業希望者に対する、地域で不足している医療機能の提供の要請を強化する必要があると指摘した。

都道府県は現在でも、全2次医療圏の3分の1に相当する多数区域で開業の希望があった場合、国のガイドラインに基づき、地域で不足している初期救急(夜間・休日診療)や在宅医療などの役割を担うよう要請しているが、実効性が乏しく、令和6年度に要請に応じたケースは25%にとどまっている。

このため、昨年12月に成立した改正医療法では、新たに過多区域を設け、新規開業希望者への要請に法的根拠を持たせた。要請に従わない場合、都道府県は勧告や診療所名の公表に加え、保険医療機関の指定期間を通常の6年から3年などに短縮できるようにした。

厚労省が示した候補区域は▽医師の充足度を示す「医師偏在指標」が「全国平均値+標準偏差の1.5倍」以上▽可住地面積あたり診療所数が全国上位10%内──の二つの条件を満たす2次医療圏で、東京都の「区中央部」や大阪府の「大阪市」、福岡県の「福岡・糸島」など5都府県の9地域に上った。該当地域のある都府県は、国が示した候補の中から過多区域を指定することになる。

米川副会長は過多区域における規制を試行的な取り組みに位置づけ、「診療科目の偏りも想定されるため、(今後の検討に向けて)実効性の分析を進めてほしい」と求めた。さらに、多数区域のほとんどが過多区域に指定されないことを踏まえ、多数区域でのガイドラインに基づく運用について、「従来以上にしっかり対応すべきだ」と強調した。

永井幸子委員(連合総合政策推進局長)は医師偏在の是正に向け、「さらなる規制的手法を検討し、都道府県や国が進捗状況をしっかり把握・検証し、必要な見直しを行うべきだ」と述べた。

木戸道子委員(日本赤十字社医療センター副院長)は「規制を強めるよりも、医師少数区域への医師の派遣の法的な仕組みを構築し、派遣元を適切に評価する施策を検討すべきだ」と主張した。

過多区域の候補は、医療部会に先立つ同月16日の地域医療構想及び医療計画等に関する検討会にも示され、おおむね了承されていた。

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