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健保ニュース 2026年1月下旬号

外来医師過多区域の候補
厚労省 2次医療圏9か所を提案
東京・区中央部など

厚生労働省は16日の地域医療構想及び医療計画等に関する検討会(座長・遠藤久夫学習院大学長)に、外来医師過多区域の候補を提示し、了承された。過多区域の基準を、「外来医師偏在指標の全国平均値との差が標準偏差の1.5倍以上」かつ「可住地面積あたり診療所数が上位10%」に定めるとともに、基準に該当する9か所の2次医療圏を、国が提示する候補区域にする。

候補になる2次医療圏は▽東京都の区中央部(千代田、中央、港、文京、台東の5区)▽大阪府の大阪市▽福岡県の福岡・糸島(福岡、糸島の2市)▽兵庫県の神戸市──などで、大都市圏に集中している。都道府県は候補区域から、市区町村単位で外来医師過多区域を設定する。

また、医師偏在是正の重点支援区域内で支援する対象医療機関について、都道府県が地域医療対策協議会と保険者協議会の合意を得た上で選定することを了承した。

重点医師偏在対策支援区域における支援事業は、一昨年末に取りまとめられた医師偏在の是正に向けた総合的なパッケージに基づき、令和6年度補正予算を活用し、支援区域で承継・開業する診療所の支援などを先行して実施している。

また、昨年末に閣議決定された8年度予算案では、支援区域の医療機関に医師を派遣する派遣元の医療機関への支援事業や、医師の勤務・生活環境改善のための代替医師確保支援事業を盛り込んでいる。

6年度補正予算の事業では、支援区域内の全ての医療機関を一律に支援していたが、8年度からはこうした支援事業ごとに都道府県が対象の医療機関を選定できるようにする。

厚労省の提案に委員から異論はなく、19日の社会保障審議会医療部会に報告し、議論することになった。

健保連の伊藤悦郎常務理事は事務局の提案に賛同した上で、外来医師過多区域について、「2次医療圏の地域的な広がりによって、該当するかどうか変わる」と指摘し、2次医療圏の範囲の見直しに応じた対応の検討が必要だと主張した。

猪口正孝構成員(全日本病院協会副会長)は外来医師過多区域の候補に挙がった東京都の区中央部は、昼間人口の多さにより開業が増えていると指摘。区域において、「診療所が増えている原因の追究も必要だ」と述べた。

坂本泰三構成員(日本医師会常任理事)は外来医師過多区域の選定にあたり、診療所数だけでなく、診療科も考慮するよう求めた。

保険者拠出の医師手当て
10年度開始を確認

厚労省はこの日の検討会に、施行時期が未定の支援区域の医師手当事業について、システム改修などの準備期間を考慮し、開始が10年度になる見込みだと説明した。同事業への保険者による拠出も10年度に始まることになる。これを踏まえ、都道府県では医師手当事業を、12年度からの第9次医師確保計画に位置づけると提案した。委員から異論はなかった。

昨年の臨時国会で成立した改正医療法は、同事業の施行時期を「公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日」としている。

事業実施にあたっては、「保険者協議会その他の医療保険者等が意見を述べることができる仕組みの構築について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講じる」としている。また、附帯決議には「拠出者である保険者協議会を含む保険者がその実施状況等について確認や検証を行い、意見を述べるなど関与できる体制を確保すること」とされている。

こうした決定を踏まえ、事業実施に向け、引き続き国が必要な検討を行うとした。

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