健保ニュース
健保ニュース 2026年1月中旬号
8年度改定へ支払、診療両側が意見
支払側 物価対応は費用構造の違い反映
診療側 初・再診料などで評価
中央社会保険医療協議会(会長・小塩隆士一橋大経済研究所特任教授)は12月26日の総会で、支払側と診療側から令和8年度診療報酬改定に向けた意見を聴取した。
8年度改定については賃上げと物価高に重点対応する方向が示された中、支払側は、医療機関機能により物価高の影響が異なることから、費用構造の違いを反映した手当てとすべきと主張した。物価上昇率の見込み値と実績値に差異が生じることを想定した検討も必要とした。
賃上げへの対応は、医療従事者の確実な賃上げに向けて、検証可能な手当ての仕組みを創設すべきとし、看護職員処遇改善評価料やベースアップ評価料を、幅広い職種を対象にした形で統合する必要性などを指摘した。
一方、診療側は人件費の上昇と物価高に見合った初・再診料の点数引き上げや、入院基本料の適切な評価を求めた。
支払側の意見は、基本的考え方、重点事項、個別事項を柱としており、健保連の松本真人理事が代表して説明した。
基本的考え方では、国民皆保険と医療提供体制の持続可能性を両立するためにも、外来受診の抑制や残薬対策、短時間・頻回な訪問看護の是正、門前薬局や敷地内薬局の合理化など適正化の徹底が不可欠と強調した。
重点事項の中の入院医療では、人口構造と医療ニーズの変化に合わせて機能の分化・連携・集約化を進め、医療資源の配置を最適化する必要があると指摘。
新たな地域医療構想で目指すべき方向性や病院の機能、規模による経営状況の違いを踏まえ、全身麻酔手術と救急搬送受け入れの実績を指標として、病院機能を一層重視した評価体系に見直すことで、病院の再編・統合につなげるべきと主張した。
外来医療では、外来患者数が全国的に減少していく一方で、診療所の経営が相対的に堅調な実態を踏まえ、かかりつけ医機能報告制度や新たな地域医療構想、医師偏在是正に向けた総合対策を念頭に、限られた医療資源で医療ニーズを過不足なく充足する必要があるとした。
患者の納得を得る観点からは、▽診療実績に基づく生活習慣病管理料Ⅰの適正化▽医薬分業のインセンティブとしての役割を終えた処方箋料の引き下げ▽特定疾患療養管理料の見直し▽外来管理加算の廃止または包括化──などを求めた。
診療側は医師、歯科医師、薬剤師の各代表が要点を説明した。
医科については、基本方針として▽診療報酬体系の見直し(人件費、医療材料費、食材料費、光熱水費などの高騰を踏まえた適切な対応など)▽あるべき医療提供体制コストなど(医療の再生産費用を含む)の適切な反映▽大病院、中小病院、診療所が果たすべき機能に対する適切な評価と、地域の医療提供システム運営の安定化▽医師・医療従事者の働き方の実情を踏まえた診療報酬上の対応▽小児・周産期医療の充実──などを挙げた。