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健保ニュース 2026年新年号

業務効率化・職場環境改善
健保法で医療機関の責務明確化
2040年見据えDXなど推進

厚生労働省は12月12日の医療保険部会に、医療機関の業務効率化・職場環境改善の推進に関する方向性を示し、大筋で了承された。8日の医療部会でも、おおむね了承された。健康保険法で、医療機関の責務として業務効率化・勤務環境改善に取り組むよう努める旨を明確化する。また、現在、医療法で病院や診療所の管理者の努力義務となっている勤務環境改善に、業務効率化を追加する。

方向性は11月25日の医療部会、同月27日の医療保険部会での意見を踏まえて加筆修正したもの。

高齢者人口がほぼピークを迎える2040年に向け、医療従事者を安定的に確保し、質が高く効率的な医療提供体制を構築するための取り組みについて、①医療機関の業務のDXの推進②タスクシフト・シェアの推進など、医療従事者の養成体制の確保、医療従事者確保に資する環境整備など──の2本の柱に整理した。

①は業務効率化の取り組みを加速させるとともに、医療界全体として実効性ある取り組みにするために必要な対応として、国と自治体による支援を提起した。DXの推進にあたっては、拙速に進めず、現場の理解を得ながら丁寧に進めると付け加えた。

具体的な対応には、▽DXに取り組む多くの医療機関への支援(令和7年度補正予算で200億円計上)▽統一的な基準による、労働時間の変化、医療の質や安全の確保、経営に与える影響などに関するデータ収集・分析▽診療報酬上求める基準の柔軟化の検討▽都道府県の医療勤務環境改善支援センターの体制拡充・機能強化▽業務効率化・職場環境改善に計画的に取り組む病院の公的な認定──などを挙げた。

計画的に取り組む病院の公的な認定については、対外的にも発信できる仕組みを地域医療介護総合確保法に創設するとしている。

こうした支援のほか、医療機関の責務を明確化する方針も打ち出した。
 ②では、①に盛り込んだ国などの支援を受け、DXに取り組む際には、併せてタスクシフト・シェアの実施や業務プロセス自体の見直しを進めることを提案した。また、医療関係職種の安定的な確保に向け、遠隔授業の実施やサテライト校の設置など、地域での安定的な養成体制を確保するため、国や自治体が取り組むべき事項を検討する。

このほか、養成にかかる修業年限の柔軟化や、育児や介護をしながら働く人への支援など、若者・社会人にとって医療関係職種がより魅力あるものになるための施策を並べた。

12月8日の医療部会で、健保連の米川孝副会長は労働時間の変化などのデータの収集について、前回の主張に沿って「簡便な形で収集できる方法を検討する」と明記されたことを評価する一方、「業務効率化を図る場合における診療報酬上求める基準の柔軟化」に関しては、中央社会保険医療協議会でしっかり議論してほしいと要請した。

また、医療機関の業務効率化が努力義務となることについて、「生産年齢人口が減少し、さらに人手不足になるため、積極的にDXやICTを活用し、職場の環境改善にしっかり取り組んでほしい」と期待した。

岡俊明委員(日本病院会副会長)は業務効率化などに計画的に取り組む病院の公的な認定について、認定された病院とされない病院で、今後、医療従事者の確保の点で格差が大きくなる可能性があると指摘し、「認定されない病院は確保がさらに困難になる。特に地域差が生じると医療提供体制を維持できない」と慎重な検討を求めた。

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