健保ニュース
健保ニュース 2025年12月中旬号
8年度予算基本方針を閣議決定
現役世代の保険料抑制を重要視
応能負担徹底など 持続可能な社保構築
政府は9日、令和8年度予算編成の基本方針を閣議決定した。社会保障に関しては、「現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げを目指すことが重要」と指摘し、応能負担の徹底などの制度改革で持続可能な社会保障システムを確立するとした。
また、こうした観点から、総合経済対策に盛り込んだ社会保障制度改革を前例にとらわれず着実に実行するとし、「社会保障改革の新たなステージにふさわしい予算編成とする」と明記した。
予算編成の際、次期診療報酬改定で保険料負担の抑制努力と医療経営の改善・従事者の処遇改善を両立させる姿勢を示した。あわせて、給付付き税額控除の制度設計を含めた「税と社会保障の一体改革」に向けた国民的議論を進めるため、「国民会議」の早期設置の検討も進めると記した。
基本方針は5日の経済財政諮問会議(議長・高市首相)が首相に答申した。高市首相は答申を受け、上野厚労相と片山財務相に対し、現役世代の保険料抑制に向け、「慢性疾患や低所得の方々の負担に配慮しつつ、OTC類似薬を含む薬剤自己負担や、金融所得の反映による応能負担の徹底などの具体的な制度設計」を行うよう指示。
高額療養費制度や介護の利用者負担の見直しなど、当面の対応が急がれる課題は、「年末までに結論を得た上で、来年度予算編成や制度改正に反映」させることを求めた。
また、城内全世代型社会保障改革担当相を中心に関係閣僚が連携し、給付と負担のあり方などについて、「全ての世代を通じて納得感が得られる社会保障制度の構築に向けた国民的な議論を着実に進めてほしい」と述べた。