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健保ニュース 2024年3月上旬号

5年人口動態統計速報
出生数 過去最少の75.9万人

厚生労働省は2月27日、令和5年の人口動態統計速報をまとめ、公表した。
 それによると、1月から12月の出生数は8年連続で減少し、前年比4万1097人減(5.1%減)の75万8631人と過去最少となる一方、死亡数は3年連続で増加し、同8470人増(0.5%増)の159万503人で、過去最多を更新した。

国立社会保障・人口問題研究所の推計(2020年・中位)では、外国人を含む出生数が75万人台になるのは2035年と見込まれており、今回の速報では、推計より12年早いペースで少子化が進行していることが明らかになった。

自然増減数は17年連続で減少し、同4万9567人減の83万1872人減で、過去最大の減少となった。

死産は同439胎増(2.8%増)の1万6153胎で、平成10年以降25年連続の減少から一転、プラスの伸びとなった。

婚姻件数は同3万542組減(5.9%減)の48万9281組。離婚件数は同4695組増(2.6%増)の18万7798組で、3年連続の減少から増加に転じた。

また、すでに公表されている1~9月(概数)までの死因で最も多いのは、悪性新生物の28万3764人で死亡数全体の約25%を占める。次いで循環器系疾患が27万7400人、呼吸器系疾患が14万2075人、老衰が13万7233人と続き、COVID-19は3万2022人となっている。

厚労省は少子化の進行について、結婚や出産、子育て等の希望の実現を阻む様々な要因が背景にあると説明し、出生数および婚姻件数の減少については、「若年人口や女性人口の減少、晩婚化・晩産化などによりもたらされる中長期的な減少傾向に加え、近年の新型コロナウイルス感染症の影響も考えられる」と分析。

若年人口が急減する2030年代に入るまでの6年程度が少子化のトレンドを反転させる最後のチャンスであり、少子化対策は待ったなしの瀬戸際にあると強調した。

今後の対応については、昨年末に取りまとめられた「子ども未来戦略」と、社会全体で子どもや子育て世帯を応援する気運を高める運動を車の両輪として進めていく考えを示した。

調査(確定数)は1899年(明治32年)より実施(戦時中を除く)。速報は各種届出書等から市町村で作成された調査票1枚1件で略式にカウントし、日本における日本人、日本における外国人、外国における日本人および前年以前に発生した事象をすべて含むため、確定時は速報から人数がさらに減少することが見込まれる。6月に概数、9月に確定数が公表される。

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