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健保ニュース 2023年10月中旬号

兵庫連合会が神戸市で時局講演会
西村経産大臣 経済政策で健保財政を改善

健保連兵庫連合会(会長・北林孝顕川崎重工業健保組合理事長)と健保連本部は1日、神戸市内で時局講演会を共催し、健保組合および母体事業所関係者101人が集まった。

講演会には、経済産業大臣を務める西村康稔氏が出席し、健保組合の財政状況が厳しさを増していると受け止めたうえで、「健保組合を安定的に運営させるためには、個人所得を増やし、財政基盤となる保険料の確保が必要」と指摘。賃金が上がることで個人所得がプラスになり、健保財政も改善されるよう日本経済の成長につながる経済政策を力強く実践していく考えを示した。

また、支え手となる現役世代の負担が重い状況について、「医療費抑制とともに高齢者医療制度を改革し、所得がある方には一定の負担を求めていかなければならない」とも述べた。

西村氏は、「わが国の皆保険は世界に冠たる医療保険制度。国民が健康で長生きできる社会をめざしてきたが、少子高齢化の進展で医療費が増加する一方で、支え手が減少している」と問題視し、健康寿命の延伸や医療費適正化に資する施策として、経済再生大臣・全世代型社会保障改革担当大臣就任時に推進した「健康経営」の取り組みを紹介した。

特に、健保組合の加入者の健康状態や医療費、健康づくりの状況を全組合平均などと比較し、見える化した「健康スコアリングレポート」は、経営トップへの意識づけを目的としたものと説明。「喫煙・運動・食事・飲酒・睡眠の健康習慣のバランスが良い健保組合は医療費が低い傾向があった」と振り返った。

そのうえで「普段から定期的に健康チェックを受けられる体制が望ましい」と述べ、経営トップにより従業員の健康管理の取り組みが推進されるよう健康経営優良法人認定制度の活用を推奨した。

他方、日本の経済状況について「ようやく20年来のデフレから脱却できる雰囲気が出てきた」と見通し、半導体やエネルギー、GX分野でのテクノロジー・イノベーションによって国内経済が活発化し、物価や需要の伸びを実現させる方針を示した。

「物価高、人手不足、賃金高は企業にとって厳しい状況だが、ピンチをチャンスに変え、経産省は前向きな企業の取り組みを全力で支援する」と激励した。

冒頭、あいさつした北林理事長は、健保組合の厳しい財政状況を紹介し、西村氏に対し財政安定化に向けての理解と協力を求めた。続いてあいさつした健保連の佐野雅宏副会長は、「現役世代の負担軽減に向けた政策を進めるためには、国会議員の先生方との関係強化は不可欠」と述べ、健保連の渉外活動への理解と支援を要望。また、西村氏の講演に際し「日本を元気にする経済対策は健保組合にとっても大きなプラスになる」と期待を寄せた。

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