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健保ニュース 2023年1月中旬号

5年度健保組合予算編成方針
補助金受入へ名目計上可

厚生労働省は12月26日、来年度に向けた健保組合予算編成方針「健康保険組合の令和5年度予算の編成について」を保険局保険課長から健保組合理事長に通知した。40歳未満事業主健診情報や第4期医療費適正化計画、出産育児一時金といった制度の見直しに伴い補助金の交付が予定されている支出については、補助金交付に備えた名目計上を可能とする対応を提示した。

5年度予算編成は、▽保険料率▽保険料額の負担割合▽法定準備金▽一部負担還元金・付加給付▽保健事業▽保険給付の適正化▽事務処理体制▽共同事業の推進▽個人情報の流出防止▽マイナンバーカードと保険証の一体化─の10項目を重点事項としたうえで、事務費や保険給付費、高齢者医療拠出金などの計上にかかる具体的な考え方を示している。

このうち、保険料率の設定に必要な医療費の推計については、最近の医療費の動向に加え、5年度薬価改定の影響を踏まえる必要性を指摘した。

保健事業では第3期データヘルス計画(6~11年度)の開始前年度にあたることを踏まえて、現行計画の評価・分析等にもとづく計画の策定にかかる必要な予算を計上する。

また、健保組合と事業主によるコラボヘルスに取り組む対応を明記。健康スコアリングレポートの活用等を通じて、事業主や従業員等に対する保健事業の必要性の理解を促進することを努力義務とした。

保険給付の適正化に関しては、レセプト点検業務は、「保険者の本来業務」との認識を求め、一層の強化に取り組むよう要請。そのうえで、▽6年4月原請求分からの訪問看護療養費レセプトのオンライン請求に合わせた準備▽5年3月原請求分からの再審査請求をオンラインで行うための体制確保─について、取り組みを規定した。

柔道整復師等の療養費は、柔道整復師が患者に代わって費用請求する受領委任払いについて「柔道整復師の施術に係る療養費について」(平成22年5月24日付保発0524第2号)などの通知を示し、「療養費の適正化に努めること」とした。

事務処理体制のうち、事業継続体制は、加入者が必要な時にいつでも組合会会議録や事業および決算に関する報告書を閲覧できる環境整備に取り組むことと新たに明記した。政府のデジタル臨時行政調査会が同月に決定した「工程表」を踏まえた措置。

マイナンバーカードと健康保険証の一体化は、6年秋を目途に進められていることを踏まえ、マイナンバーカードの保険証利用申し込みのさらなる周知、オンライン資格確認等システムへの速やかな加入者情報登録に取り組むこととした。

予算の計上に関して、事務費の国庫負担収入は4年度と同様、一般分の被保険者1人当たり月額を単一組合10円・総合組合15円、介護分の2号被保険者1人当たり月額を単一組合2円・総合組合3円とする。

保険給付費については、組合の過去の実績値、診療報酬改定、法律改正の影響等を踏まえ、組合の実情に応じて適正に計上。また、審査手数料は▽判断が明らかなレセプト▽一般レセプト▽調剤レセプト─に区分されることを踏まえ、それぞれのレセプト割合を勘案して計上する。

前期高齢者納付金・交付金、後期高齢者支援金、退職者給付拠出金などの見込額は、「健康保険組合の令和5年度予算編成における納付金等の見込額の算出方法について」(4年12月26日付事務連絡)を参考に計上。

このなかで、納付金等の見込額は、3年度の実績を用いて算定されることから、今後、各保険者が社会保険診療報酬支払基金に報告する5年度の標準報酬月額の見込額を除き、4年10月施行の「短時間労働者の適用拡大の影響は反映されない」として、留意を求めた。適用拡大の影響が著しい場合は、支払基金が示す過大・過少の補正申請要件の対象とする予定。また、納付金等の確定時(翌々年度)には、適用拡大の影響が反映された実績を用いて算定するとした。

介護納付金の見込額は、1月中に厚労省老健局介護保険計画課長が通知する事務連絡「令和5年度介護給付費・地域支援事業支援納付金について」を参考に計上する。

社会保障・税番号制度関連施策への対応は、①住基ネット(J-LIS)利用にかかる手数料②中間サーバーを通じた情報連携業務にかかる運用・保守経費─ごとに提示。①J-LIS手数料は、住基ネットを活用して加入者の個人番号や基本4情報(氏名・生年月日・性別・住所)を確認した場合、引き続き原則1件の照会につき10円、医療保険者等向け中間サーバーを通じた機関別符号に加え新生児等新規加入者におけるJ-LISチェック時の照会においても、引き続き1件10円の手数料が発生する。②運用・保守経費は加入者1人当たり月額2.21円を計上する。

▽40歳未満事業主健診情報の活用に向けたシステム改修に係る費用▽第4期医療費適正化計画見直しに伴うシステム改修に係る費用▽出産育児一時金に係る補助金─については、補助金交付に備え名目計上(1千円)を可能とした。収入科目はそれぞれ、(款)国庫補助金収入、(項)国庫補助金収入の▽(目)社会保障・税番号制度システム整備費等補助金▽(目)高齢者医療制度円滑運営事業費補助金▽(目)出産育児一時金補助金─。

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