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健保ニュース 2023年新年号

健保連理事会
宮永会長 主張実現へ活動を展開
山積課題に的確・迅速な対応

健保連は12月16日、東京都中央区のベルサール八重洲で第520回理事会を開いた。宮永俊一会長は、理事会の冒頭あいさつで、全世代型の社会保障制度構築のため、現役世代の負担軽減、さらには全体として健保組合の負担軽減につながる改革をしなければならないと強調。主張実現に向け、関係団体と協調しつつ、自民党の「国民皆保険制度を守る国会議員連盟」など政治の場にも訴えかけ、健保組合の負担増抑制や財政支援策の充実をアピールしているとした。一方、効率的な保健事業による加入者の健康づくりなど、健保組合が保険者機能を発揮することで、加入者の新しいニーズを汲み取り、形にしていくことも求められていると指摘。健保組合の価値と意義の理解促進に取り組み続ける必要性にも言及した。来年以降に向けては、「私たちの要求を実現するための各種活動を継続して展開していく」との決意を表明し、山積する課題に的確かつ迅速に対応する考えを示した。(宮永会長の発言要旨は次のとおり。)




理事会の開会にあたり、一言あいさつ申し上げる。
 まず、10月に開催した健保組合全国大会は、未だ終息しないコロナ禍のなかで、一定数に制限した来場とウェブ配信のハイブリッド形式にて開催し、合わせて約3000名の方々に参加いただき、盛会裡に終えることができた。

理事各位、都道府県連合会の皆さんには、多忙な時期にもかかわらず協力をいただいたことに厚くお礼申し上げる。

大会では、将来にわたり皆保険制度を維持し、国民の健康と安心を守るため、健保組合が置かれている危機的状況を乗り越え、さらなる改革の早期実現を求めることなどを決議した。

また、本年が健康保険法制定100年の節目の年であることを踏まえ、これまで健保組合が果たしてきた役割と活動の意義を再確認するとともに、次の100年に向けて、時代に合った保険者機能の発揮と加入者サービスの充実を通じた健保組合のさらなる価値の向上につなげていく必要性を共有できた。

大会終了後には、私たちの思いを政治の場へ強くアピールするため、都道府県連合会の協力のもと、地元選出国会議員への個別要請を積極的に行っていただいた。私自身も、健保連本部・都道府県連合会の役員とともに代表者要請を行い、自民党の幹事長ならびに政調会長に要請書を直接手交した。

急速な高齢化と、支え手である生産年齢人口の減少という大きな難題に直面する今だからこそ、事業主との近い関係を活かして加入者の健康を守る健保組合の維持・発展が重要であり、この事が、ひいては国民皆保険制度を守ることにつながるものであると強く訴えたところだ。

そのためには、まずは現状の現役世代の過重な負担を軽減し、全世代型の社会保障制度に転換しなければならない。これは、国・政府の方針とも合致しており、今大会で示した団結力と改革実現の熱意を今後も継続し、私たちの主張や要求を強くアピールする機会をさらに増やしていきたいと考えている。

さて、臨時国会が閉会し、いよいよ政府の来年度予算編成が大詰めを迎える。また、全世代型社会保障構築会議では、近々、最終取りまとめが行われる見通しであり、次期改革の全容が固まりつつある。

これまでの政府内の検討によれば「現役世代の負担軽減」「世代間・世代内のバランスの是正」「負担能力に応じて全世代で支える仕組み」の3点が、言わばパッケージで提案されており、少子化対策の実現や現役世代の負担軽減などの今般の改革にかける政府の強い意志を感じる。

一方、被用者保険者間の格差是正策には、健保組合全体にとって負担増の要素となる「前期高齢者納付金の報酬水準に応じた調整の導入」も含まれており、残念ながら、もろ手を挙げて賛成できるものではない。

健保連としては、若い世代や働く世代の不安を解消し、将来も安心して暮らせる社会を築くため、働く世代の中心的存在である健保組合へのさらなる負担増は容認できないと主張している。

全世代型の社会保障制度構築のため、現役世代の負担軽減、さらには全体として健保組合の負担軽減につながる改革を実現しなければならない。

私たちの主張の実現に向けて、味方を増やしていくためにも、関係団体と協調しつつ、自民党の「国民皆保険制度を守る国会議員連盟」など、政治の場にも訴えかけ、健保組合の負担増抑制や財政支援策の充実等を求めている。

現時点では文字どおり、最後の激しい攻防の渦中にあり、予断を許さない状況だが、決まり次第、理事各位、会員組合の皆さんに速やかに報告申し上げる。

私たち健保組合の価値と意義の理解促進にも取り組み続ける必要がある。効率的な保健事業による加入者の健康づくりなど、私たちに優位性のある保険者機能を、それぞれの健保組合が十分に発揮し、加入者の新しいニーズも汲み取り、形にしていくことも求められている。その成果は加入者の健康につながり、ひいては国民全体の健康寿命の延伸へとつながって、健保組合の価値の向上ともなるものだと信じている。

来年以降に向けても、私たちの要求を実現するための各種活動を継続して展開していく。また、健保組合をめぐっては、高騰する医療費対策、新型コロナウイルス感染症対応、マイナンバーカードの保険証利用などのICT対応、等々課題は多く、いずれも的確かつ迅速な対応をとる必要がある。

本日は、来年度の事業計画、予算の基本方針について諮る。理事各位の忌憚のない意見をお願いして、開会のあいさつとする。

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