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健保ニュース 2022年4月下旬号

健保組合・現役世代を支援
自民党皆保険議連 「要望書」取りまとめ
骨太、概算要求へ近く政府に提出

自民党の「国民皆保険を守る国会議員連盟」(鈴木俊一会長)は13日、衆議院議員会館で第5回総会を開き、「骨太の方針2022」および令和5年度予算概算要求に対する「要望書」を取りまとめた。皆保険制度の中核を担う健保組合と現役世代を支援するため、①国民の安全・安心のための質の高い効率的な医療の実現、②全世代で支え合う医療保険制度の構築、③健康寿命の延伸に向けた保健事業のさらなる推進、④健康保険組合の安定化に向けた財政支援─の4点について要望。今夏の「骨太方針2022」、「令和5年度政府予算概算要求」への反映をめざし、近く、関係各所に「要望書」を提出する。

自民党の衆参両院所属の有志議員で構成する「国民皆保険を守る国会議員連盟」は13日、第5回総会を開催した。

3月29日の第4回総会では、健保連の佐野雅宏副会長が、健保組合・健保連の重点政策として、▽コロナ禍を踏まえた国民が安心できる安全で効率的な医療の実現▽現役世代の負担軽減と世代間の公平性確保▽健康寿命の延伸に向けた保健事業のさらなる推進▽健保組合の運営安定化に向けた当面の取り組み─を要望。

出席議員からは、重点要望に賛同する発言が相次ぎ、鈴木会長が、総会における意見を取り入れた議連としての「要望」をまとめ、次回総会で原案を諮る考えを明らかにしていた。

この日の会合で冒頭あいさつした鈴木会長は、「構造的な課題を抱える健保組合が解散を選択し、国民皆保険という大きな力が形骸化してしまうことを心配している」と言及し、制度の存続に危機感を表明した。

その後、前回総会の議論を踏まえた議連における今後の取り組み方針として、当面の政策課題である「骨太の方針2022」および令和5年度予算概算要求に対する「要望書」の取りまとめが提案された。

「要望書」は、①国民の安全・安心のための質の高い効率的な医療の実現②全世代で支え合う医療保険制度の構築③健康寿命の延伸に向けた保健事業のさらなる推進④健康保険組合の安定化に向けた財政支援─が柱。

①は、今般のコロナ禍を踏まえ、国民誰もが身近で信頼できる「かかりつけ医」や着実な地域医療構想の推進により、外来機能の明確化・連携や病床機能の分化・連携を図ることで、質の高い効率的な医療の実現を求めた。

また、②は、国民皆保険制度の持続性を高めるため、過度に現役世代に依存する制度から、全世代で負担を分かち合い、支え合う制度へと転換を図るよう要望。

③は、加入者の予防・健康づくりで健保組合がこれまで果たしてきた役割を再認識し、健康寿命の延伸に向けて保険者機能を発揮できるような環境を整備する必要があるとした。

さらに、④は、高齢者医療の拠出金負担を軽減するための十分な財政支援を行うとともに、新型コロナの影響で保険料収入が著しく減少し財政が逼迫している健保組合に必要な財政支援を継続するよう提起した。

続いて説明に立った佐野副会長は、▽健保組合の保険料率は年々上昇し、協会けんぽの水準に近づいてきている▽解散予備群といえる保険料率10%以上の健保組合は2020年度で308組合となり、全体の約2割に達する─状況から、「健保組合が解散し、定率補助のある協会けんぽに移行すると、国庫負担は増加する」と訴えた。

その後の質疑応答・意見交換では、出席議員から、「今年度の拠出金はコロナの影響で一時的に減少するが、構造的な問題から今後も拠出金は増加していくことを追記してはどうか」との意見があり、鈴木会長が、「要望書の修正は一任いただきたい」と応答。

関係各所に「要望書」を提出することで、議連の意思を明確にする考えを示し、出席議員の拍手をもって了承を得た。

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