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健保ニュース 2021年11月下旬号

経済対策が閣議決定
来年2月から看護職など収入引上げ
マイナンバーカード普及 保険証登録にポイント付与

政府は19日、経済対策を閣議決定した。医療提供体制の強化など新型コロナウイルス対策や、「新しい資本主義」の起動に向けて成長と分配の好循環を実現するための施策などを盛り込んだ。

経済対策にかかる財政支出は55.7兆円、事業規模は78.9兆円を予定する。これによるGDPの下支え・押し上げ効果を5.6%と見込む。

対策に必要な国費は43.7兆円、このうち令和3年度補正予算案に31.9兆円を計上する方向で、11月下旬に補正予算案を閣議決定する。

12月に開く臨時国会に補正予算案を提出し、年内の成立をめざす。対策の裏づけとなる補正予算と4年度本予算を一体的に編成して、執行に切れ目のない「16か月予算」とする考えを示した。

経済対策の柱は、①コロナ対策(財政支出22.1兆円)②コロナ下での社会経済活動の再開と次なる危機への備え(同9.2兆円)③「新しい資本主義」の起動(同19.8兆円)④国土強靭など安全・安心の確保(同4.6兆円)─の4つで構成される。

このうち、③に含まれる分配戦略では、政権が力を入れる医療・福祉職の収入原資となる公的価格の見直しに関する政策で、保育士や幼稚園教諭、介護・障害福祉職員を対象に来年2月から収入を3%程度(月額9000円)引き上げる。

看護職員については、「まずは、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関に勤務する」者を対象に、段階的に収入を3%程度引き上げていくこととし、来年2月から1%程度(同4000円)引き上げる。そのうえで、来年10月以降のさらなる対応を4年度予算編成過程で検討する。

いずれの職種も賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提とするもので、来年2月からの前倒し実施と位置づける。

賃上げの対象者については、柔軟な運用を認め、例えば看護職では看護補助者や理学療法士・作業療法士などコメディカルの処遇改善にも充てられるようにする方針だ。

③の成長戦略では、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進として、マイナンバーカードの普及促進と合わせた消費喚起を狙いに、カード取得者に最大2万円相当のポイントを付与する。

その内訳は、▽マイナンバーカードの新規取得者に最大5000円▽健康保険証の利用登録に7500円▽公金受け取り口座の登録に7500円─。

①の医療提供体制の強化では、政府が12日に決定した、次の感染拡大防止の「全体像」を踏まえた内容で、包括支援交付金を活用した都道府県による病床・医療人材確保や、公立公的病院のコロナ感染症専用病床化などを進める。

また、コロナ入院患者の受け入れのための病床確保への補助金の病床確保料については、病床利用率が一定基準を満たさない場合に単価を見直すなどして、感染拡大時に確保病床の8割以上を確実に稼働できる体制を構築する。

オンライン診療・服薬指導では、コロナ対応の特例措置を恒久化するなどして、受診から薬剤の受領まで一連の過程をオンラインで完結できるよう、利用者・患者本位の医療の実現を図るとした。

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