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健保ニュース 2021年11月中旬号

財務省が診療報酬改定など提言
医療費適正化へ本体マイナス改定
機能強化加算 ゼロベースの見直し必須

財政制度等審議会(榊原定征会長)の財政制度分科会は8日、令和4年度予算編成と財政運営への考え方を提言する「建議」の取りまとめに向け、財務省の社会保障改革案にもとづき議論した。財務省は診療報酬改定について、「本体マイナス改定を続けることなくして医療費適正化は到底図れない」と問題提起。さらに、制度上の対応を欠く「かかりつけ医」への診療報酬上の評価は「外来機能の分化を促していない」と指摘し、「機能強化加算」のゼロベースでの見直しが必須とした。調剤報酬は「時機を逸することなくリフィル処方を導入すべき」と強調。薬価改定は「調整幅」の廃止に向けたロードマップを示し、段階的縮小を実現するよう求めた。

財務省が8日の財政制度等審議会・財政制度分科会に提示した社会保障改革案は、令和4年度の次期診療報酬改定を見据えた内容が中心で、本体改定率や薬価、診療報酬体系のあり方などへの考え方を提言した。

平成20年度改定以降、プラス改定が続いてきた本体改定率については、「医療費の適正化とは程遠い対応を繰り返してきたと言わざるを得ない」と問題視し、「本体マイナス改定を続けることなくして医療費の適正化は到底図れない」と強調。改定前の本体の伸びが高止まりしているならば、「躊躇なくマイナス改定をすべき」と訴えた。

また、薬価改定後の薬剤費総額の伸び率がなお経済成長率を大きく上回ってきたことから、「もう一段の強力な薬剤費適正化の取り組みが必要」とした。

診療報酬体系のあり方については、「医療提供体制改革なくして診療報酬改定なし」との考えを改めて示し、「入院医療」はアウトカム重視・質重視の患者本位かつ医療機関等の面的・ネットワーク的な連携・協働をより重視する横連携型の体系にシフトすることが必要と明記。

「短期滞在手術等基本料」の対象拡大といった個別の報酬設定の問題にとどめることなく、「1入院当たり包括報酬(DRG/PPS)の本格導入や包括払い対象の本格的拡大を視野に入れるべき」と提言した。

さらに、「外来医療」は「かかりつけ医」の機能強化に向けた診療報酬上の評価が先行し、「果たすべき政策目的と診療報酬上の評価がますますかけ離れることとなった」と現状を認識。

特に、平成30年度改定で新設した「機能強化加算」は、健保連の「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ」で、「本来は初診患者の中でもより継続的な管理が必要な疾患を有する患者への算定が期待されながらも、算定の実態がまったく異なっており、外来機能の分化につながっていないことが指摘されている」と問題提起した。

そのうえで、「制度上の対応を欠いた現状の診療報酬上の評価は、外来機能の分化を促していない」と断じ、「機能強化加算のゼロベースでの見直しは必須である」と強く訴えた。

また、「地域包括診療加算」など、その他の「かかりつけ医」関連の診療報酬の評価についても、「算定要件等の安易な緩和は厳に慎むべき」としたほか、「受診回数や医療行為の回数による出来高払いより包括払いがなじむ」との考えを示した。

このほか、「かかりつけ医」以外への受診に対して、患者の定額負担を拡大していくことにより、外来医療の機能分化を促していくことも重要とした。

他方、「働き方改革」は、令和2年度改定で新設した「地域医療体制確保加算」の算定要件について、「具体的なアウトカムに結びつく実効的な仕組みであるとは言い難く、どのような費用に充てられてきたのかの実績報告等も求められない」と問題視し、是正を求めた。

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