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健保ニュース 2021年4月下旬号

費用対効果評価・薬価見直し第1弾
キムリアは4.5%引下げ

中医協は14日に開催した総会で、費用対効果評価の結果を踏まえた5品目における薬価の見直しについて承認した。

平成31年2月に制度化した費用対効果評価の結果を薬価に反映する初の見直しで、著しく単価が高いため評価対象となった再生医療等製品の「キムリア点滴静注」は、1患者あたり「3411万3655円」の現行薬価を「3264万7761円」に146万5894円(約4.5%)引き下げる。

「キムリア点滴静注」は、原価計算方式で算定され、製品総原価の開示度が50%未満と低いことから「有用性加算部分」と「営業利益部分」それぞれを価格調整の範囲とし、対象集団ごとに算出した価格を患者割合で加重平均したものを価格調整後の薬価とした。

ただし、対象集団の患者割合は、企業秘密にあたることから非公表とされた。
 価格調整後の薬価は、医療機関における在庫への影響等から一定の猶予期間を設けることとし、令和3年7月1日から適用する。

また、この日の中医協総会では、市場規模が100億円以上の①テリルジー100エリプタと、その類似品目である②ビレーズトリエアロスフィア③エナジア④テリルジー200エリプタ─の4品目にかかる費用対効果評価結果にもとづく価格調整後の薬価見直しについて承認した。

このうち、①は、「14吸入1キット」が「4183.50円」から「4160.80円」、「30吸入1キット」が「8853.80円」から「8805.10円」に薬価を引き下げる。

また、②は「4150.30円」から「4127.60円」に引き下げる。
 ③は▽中用量1カプセル:291.90円から290.30円▽高用量1カプセル:333.40円から331.50円─、④は▽14吸入1キット4764.50円から4738.50円▽30吸入1キット1万98.90円から1万43.30円─にそれぞれ引き下げる。

「キムリア点滴静注」と同様に、医療機関における在庫への影響等を踏まえ、3年7月1日から適用することとした。

健保連の幸野庄司理事は、「キムリア点滴静注」の価格調整について、「医薬品等を再評価する費用対効果評価に不透明性はあってはならない」と言及。

そのうえで、「費用対効果評価の価格調整時に重要な指標となる患者割合が公開されないと、医薬品の費用対効果の良し悪しがわからないまま薬価が変動することとなる」と問題提起し、価格調整過程で患者割合を公開するよう強く要望した。

厚生労働省は、費用対効果評価の価格調整過程における透明性の確保は重要な課題であるとの認識を示し、具体的事例を積み重ねるなかで、どこまで患者割合の公開が可能となるのか、今後、業界団体の意見を改めて聴取し整理するとした。

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