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健保ニュース 2021年1月下旬号

柔整療養費の償還払い変更
幸野理事 実現へ厚労省と協議継続

健保連の幸野庄司理事は令和2年12月23日、保険者機能を推進する会(代表理事会長・秋山実日本航空健保組合理事長)が開催した医療保険制度ゼミナールで講演し、柔道整復療養費における受領委任払いから償還払いへの変更に関する検討状況について報告した。このなかで幸野理事は、実現に向け今後も厚生労働省と協議を継続する意向を明らかにした。

療養費は、健康保険法第87条で、保険者が療養の給付などを支給することが困難で、保険者がやむを得ないものと認める時に支給できると定められ、健康保険法施行規則第66条で償還払いが原則になっている。

しかし柔整療養費については、整形外科医が不足していた時代に治療を受ける機会を確保し患者の保護を図る必要があったことなどを理由に、特例的に受領委任払いに限定されてきた。その後、施術者の増加とともに不正請求が増え、会計検査院が同省に保険者の審査と行政の指導体制の強化を求めるなど不正対策を講じるよう指摘した。

それにもかかわらず、受領委任制度を悪用した水増しや架空など不正請求は一向に収まらず、部位転がしによる長期頻回受療など問題のある患者も常態化。加えて行政による指導監督が機能せず、不正対策を検討するための厚労省の専門検討委員会は料金改定のためにしか開催されない状況が続いていた。

幸野理事は、受領委任制度のメリットとして、疑いのある施術者へ行政からの指導監査があるものの、適切に実施されないうえ、保険者の機能を制約するかのような対応を取っていると現状の問題点を指摘。柔整療養費の適正化対策が急務であるとの考えを強調した。

こうしたなか、一昨年にあはき療養費に受領委任制度が導入された際、制度への参加については保険者の裁量によるものとされたことから、柔整療養費にも保険者の裁量による償還払いへの変更を求める健保組合の意見が、健保連に多く寄せられた。

幸野理事は、平成28年以降、受領委任制度における不正対策の実現をめざしてきたが、施術者側が全く応じなかったことから、昨年4月22日の厚労省の検討専門委員会で、組合会の決議を経たうえで柔整療養費の受領委任協定への委任を解除し、償還払いに変更していくことを希望する健保組合が現れた場合、健保連としてはこれを容認し必要な手続を行っていくと通告した、とこれまでの経緯を説明した。

さらに、現在、厚労省と調整を続けていることを明らかにしたうえで、同省から法律上、健保組合が償還払いへ移行することを止めることはできないが、混乱を招かないように施術者団体と調整を行うことが必要との見解が示されていることを報告。「今後も協議を進め、令和3年度以降、手続きや移行時期が決定され、組合会で審議を行える状況となったら、改めて説明したい」と述べた。

健保連では現在、健保組合向けに意向調査を実施し、受領委任払いの現状や継続に必要な条件などの要望の取りまとめを行っている。昨年度実施したアンケートでは、45%の健保組合が償還払いによる柔整療養費の支給を希望しており、償還払いへの変更に向けた動向に大きな関心を寄せている。

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