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健保ニュース 2021年1月中旬号

厚労省所管の社会保障関係費32.8兆円
医療国庫負担は16年振り減少

厚生労働省の令和3年度予算案は、一般会計が前年度の当初予算に比べ1519億円(0.5%)増の33兆1380億円で、このうち社会保障関係費に同1609億円(0.5%)増の32兆7928億円を計上し、いずれも過去最高額を更新した。

政府全体の社会保障関係費の実質的な伸びは、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた医療費の国庫負担分を2000億円減少させた2年度予算と比較すると3500億円程度で、高齢化に伴う自然増4800億円から改革努力により1300億円抑制した。

改革努力は、▽毎年薬価改定(国費▲1000億円)▽介護保険の補足給付見直し(同▲100億円)▽後期高齢者の保険料軽減特例見直し(同▲600億円)─で、合計▲1700億円程度の国費を削減。

一方、▽介護報酬改定(同196億円)▽障害福祉サービス等改定(同86億円)▽不育症支援や虐待防止対策等─に、400億円程度の充実を図った。

厚労省が所管する社会保障関係費は、▽医療12兆799億円(2年度予算比1.5%減)▽介護3兆4862億円(同2.4%増)▽年金12兆6213億円(同1.3%増)▽福祉等4兆4976億円(同1.0%増)▽雇用1078億円(同125%増)─をそれぞれ充てる。

医療費国庫負担は、国庫補助負担金改革を行った平成17年度予算時以来、16年振りに減少。制度別の構成割合は年金が38.5%、医療36.8%、介護10.6%、福祉等13.7%、雇用0.3%となる。

国と地方を合わせた社会保障の充実は、令和元年10月の消費税率引き上げによる税増収分(2.31兆円)と社会保障改革プログラム法等にもとづく重点化・効率化による財政効果(▲0.4兆円)を活用し、前年度から33億円減の総額2兆7078億円を確保。国費分が約7割となる1兆8172億円を占める。

このうち、「被用者保険の拠出金に対する支援」には、前年度と同額の700億円を計上。内訳は、高齢者医療運営円滑化等補助金の拠出金負担軽減措置が600億円、拠出金負担が特に重い上位保険者の対象拡大分の負担を軽減する制度化分が100億円となっている。

また、「診療報酬改定における消費税財源等の活用分」は、新型コロナウイルス感染症を踏まえた小児の外来診療にかかる診療報酬上の特例的な評価などに対応するため、前年度に比べ201億円増の803億円を措置する。

このほか、前年度まで一般財源から84億円を計上していた「地域医療構想の実現を図るための病床機能再編支援」について、消費税財源を充当し、195億円を新たに計上。地域医療介護総合確保基金(医療分)の新たな枠組みに位置づける。

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