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健保ニュース 2020年11月上旬号

出産育児一時金の支給水準
年末の改革論議の俎上に
田村厚労相 保険者の理解前提に対応

田村憲久厚生労働相は10月27日の閣議後記者会見で、健康保険の加入者が出産した際に原則42万円を支給する出産育児一時金の水準について、現在集計している出産費用にかかる実態調査の結果を踏まえつつ、一時金を負担する保険者の理解を前提に対応していく意向を表明した。

後期高齢者医療費の自己負担割合の見直しなど、年内の取りまとめに向け検討を進めている医療保険制度改革の議論の俎上に、出産育児一時金の支給水準の見直しが急浮上した格好となった。

出産育児一時金は、健保組合などに加入する被保険者や被扶養者が出産した時に一定額を支給する健康保険上の仕組みで、医療機関における出産費用の高騰に連動し、平成18年10月に30万円から35万円、産科医療補償制度が創設された21年1月に原則38万円へと増額されてきた。

21年10月に原則42万円に引き上げられて以降、現行の水準に据え置かれ、基礎額(40万4千円)と産科医療補償制度の掛金分(1万6千円)から構成されている。

田村厚労相は、「平成24年の公的病院の平均的な出産費用である40万6千円はほぼカバーできているが、それからまた上がってきている部分もあるかもわからない」と指摘。

そのうえで、現在集計している出産費用にかかる実態調査の結果も踏まえつつ、後期高齢者医療費の自己負担割合の見直しなど、年内の医療保険制度改革の取りまとめに向けた議論に合わせて、「出産育児一時金の水準についても検討を進めていただきたい」と言及した。

政府が医療保険制度改革の取りまとめに向けた検討を進めていくなかで、「実態調査の結果を踏まえた一定の方向性を受け止め、必要があれば対応していく」と述べる一方、出産育児一時金を負担する「保険者の理解をいただくことが前提になる」との考えを示した。

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