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健保ニュース 2020年9月上旬号

医療部会が今後の医療提供体制を議論
新型コロナや少子高齢化に対応
各審議会で早急に検討

社会保障審議会の医療部会(永井良三部会長)は8月24日、会合を開き、新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた今後の医療提供体制について議論した。

新型コロナウイルス感染症による地域医療の局所的な病床数・医療従事者の不足や、少子高齢化の進行による医療需要の増加とサービス提供人口の減少などの様々な課題に対応可能な柔軟性ある医療提供体制の構築をめざし、外来機能の分化・連携などについて、各検討会でスピード感を持って具体的な検討を進めていくことを決めた。

この日の会合では、厚生労働省が、新型コロナウイルス感染症の状況とこれまでの主な対応や、医療提供体制の構築にかかる主な取り組みについて説明。新型コロナウイルス感染症により医療機関の患者数が減少していることや初診からオンラインや電話で診断・処方が可能となったこと、2年度第2次補正予算による対応のほか、地域医療構想、医師等の働き方改革、実効性のある医師偏在対策を一体的に推進するための検討状況などが示された。

そのうえで、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、局所的な病床数の不足や特定の診療科における医療従事者の不足などの課題が浮き彫りとなったことを踏まえ、新型コロナウイルス感染症への対応を最重要課題にスピード感を持って全力を注ぐことが重要と問題提起。

合わせて、人口減少と高齢化の進行で医療需要の増加とサービス提供人口の減少が同時に生じることを考慮し、医療計画や地域医療構想等の効果的・効率的な医療提供体制を構築するための取り組みは着実に進めるべきとした。

今後は、こうした様々な課題に対応するため、かかりつけ医機能の強化やオンライン診療、外来機能の分化・連携など、柔軟性ある医療提供体制の構築をめざし、医療計画の見直しに関する検討会や地域医療構想ワーキンググループ等で具体的な検討を進めていくことをタタキ台として明示。

合わせて、医療に関するデータヘルス改革も進めていくべきとした。
 委員からは、「地域医療構想やかかりつけ医機能強化などの取り組みは着実に進めるべき」、「スピード感を持って着実に具体的な検討を進めるべき」、「医療計画に記載すべき事項に新興・再興感染症対策を追加すべき」などの意見があった。

健保連の河本滋史常務理事は、「少子高齢化という中長期的な課題が不変である以上、効果的・効率的な医療提供体制を構築するという必要性は何も変わっていない」との認識を示し、地域医療構想やかかりつけ医機能の強化といった取り組みは着実に進めるべきと主張した。

井上隆委員(日本経済団体連合会常務理事)は、地域医療構想の着実な推進を求めたほか、ウィズ・コロナ時代に有効な手法であるオンライン診療・服薬指導を活用していくことが重要との考えを示した。

今村聡委員(日本医師会副会長)は、各検討会において、スピード感を持って着実に具体的な検討を進めることを求めたほか、感染症対策としての医療提供体制については、医療部会でしっかり議論すべきとした。

釜萢敏委員(日本医師会常任理事)は、5疾病5事業の記載を求める医療計画に新興・再興感染症対策の追加を盛り込むことを要望した。

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