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健保ニュース 2020年7月中旬号

財政審が今後の財政運営で会長談話
社会保障制度改革を着実に推進
持続可能性の確保は待ったなし

財務省の財政制度等審議会(榊原定征会長)は2日、「今後の財政運営について」と題する「会長談話」を取りまとめ、公表した。

財政審は、例年の場合、5月下旬から6月上旬に今後の財政運営に関する「建議」を策定し、財務相に提出していたが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で財政制度分科会の開催が2回に留まり、「建議」の策定が困難な状況となったことから、代わりに「会長談話」を公表し、今後の財政運営に関する見解を示した背景がある。

「会長談話」は、当面の財政運営にあたり、「新型コロナウイルス感染症拡大への対応について、国民の生命と経済社会を守り不安を解消していくことが最優先である」としたうえで、「機動的な対応は適時かつ的を絞り、一時的なものとすることが大原則であることを忘れてはならない」と指摘。

今後、経済再生と財政健全化の両立はますます重い課題となるなか、ポストコロナの経済社会の変化を見据え、これまで以上にワイズスペンディング・選択と集中を徹底しつつ、経済財政一体の改革を進めていく必要があるとの見解を示した。

他方、「感染症の拡大を経ても変わらぬ課題が少子高齢化と現役世代の減少である」とし、団塊世代が後期高齢者になり始める令和4年以降、後期高齢者数は高止まりを続けるほか、社会保障の主な支え手となる現役世代も既に足元で大規模な減少が始まっており、「社会保障の給付費と現役世代の負担は大きく増加する」と問題提起した。

このため、「限られた資源の中で、真に国民が必要とするサービスに重点化しつつ、社会保障制度の給付と負担のアンバランスを正し、制度の持続可能性を確保することは引き続き待ったなしの課題である」と強調。社会保障制度改革をいささかも後退させることなく、着実に進めていく必要があると提言した。

機動的な対応で一層悪化した財政から目をそらさず、歳出と歳入の両面から不断に取り組んでいくことが今後も必要であり、その責務を果たすべく、今後も財政健全化に向けた議論を進めていく所存であると結んだ。

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