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健保ニュース 2020年7月上旬号

諮問会議が骨太の骨子案を議論
安倍首相 社会変革の方向性を明記
次回、方針策定へ原案提示

政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)は6月22日、今年の「骨太方針2020」の策定に向けて、「経済財政運営と改革の基本方針2020(仮称)」骨子案について議論した。

骨子案は、「第1章 新型コロナウイルス感染症の下での危機克服と新しい未来に向けて」、「第2章 感染症拡大への対応と経済活動の段階的引上げ」、「第3章 新たな日常の実現」の3テーマから構成。第1章は基本的な考え方を示す総論部分、第2章を短期的な対応、第3章を中期的な対応という2つのフェーズに分けて取り組むべき施策を整理する。

第1章は感染症拡大を踏まえた当面の経済財政運営と経済・財政一体改革など5項目、第2章は医療提供体制等の強化など4項目、第3章はデジタル化への集中投資・活用とその環境整備など5項目の柱立てとなる。

民間議員からは、「骨太方針2020」は経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、経済・財政一体改革の推進に向けた優先課題の再検討と資源配分のメリハリの強化を図りつつ、令和2年末までに取り組みの具体化を図るべきとの意見が提言された。さらに、デジタル化への集中改革を「骨太方針2020」の1丁目1番地として、現行の計画・工程を強化・加速するとともに、令和3年度予算要求に反映することを求めた。

安倍首相は、「本年の骨太方針は、今回の感染症の拡大で明らかになった課題に正面から向き合い、新たな日常を通じた質の高い経済社会の実現をめざすべく、それに向けた社会変革の方向性を盛り込んでいきたい」との意欲を示し、各府省と連携して策定作業に取り組むよう西村康稔経済財政政策担当相に指示した。これを受け、西村経済財政政策担当相は、「与党での議論も踏まえながら策定していきたい」と言及し、次回の会議で「骨太方針2020」の原案を提示する意向を示した。

なお、この日の会合では、令和3年度から実施予定の毎年薬価改定とそのための令和2年度薬価調査について、複数の民間議員から実施の可否に関連する意見が表明された。

民間議員からは、「毎年薬価調査を行い、必要に応じどのように改定していくかを考えていくべき」、「薬価改定も含めしっかり加速させていくことが大事」のように毎年薬価調査・改定に対して肯定的な発言の一方、「スケジュールが混んだ中での無理な薬価調査と改定は考慮すべき」との発言もあった。

今年度の薬価調査と来年度の薬価改定のあり方については、与党からも慎重な検討を求める要望があがっており、「骨太方針2020」の策定過程における政府方針の動向に注目が集まっている。

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