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健保ニュース 2020年6月下旬号

医療保険部会が議論再開
佐野副会長 給付と負担の見直し必要

社会保障審議会の医療保険部会(部会長・遠藤久夫学習院大学経済学部教授)は19日、約3か月ぶりに議論を再開した。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、開催を中止していた間、政府の全世代型社会保障検討会議が5月22日に開かれ、今年夏に予定していた最終報告の取りまとめを年末に延期することを決定した。同部会では当初、夏の意見取りまとめを予定していたが、検討会議の方針変更を踏まえ、厚生労働省はこの日の会合で、「同部会の議論についても検討会議の議論の状況を見ながら進めていくことが必要だ」とし、審議スケジュールを改めて次回会合で提示する方針を示した。

健保連の佐野雅宏副会長は、「昨今の状況を鑑みれば、最終報告の取りまとめを先送りするのはやむを得ない」と述べたうえで、「今後、新型コロナが収束しても景気の先行きは不透明であり、医療保険財政もより厳しい状況になる」と予測とした。

こうした観点から、「高齢者医療費の負担増が、賃金低下が懸念される現役世代に重くのしかかってくる」と強く懸念し、「このため、従来から主張してきた後期高齢者の2割負担導入を含めて給付と負担の見直しを必ず実施しなければならない。現役世代の生活を守るためにも、見直しをこれ以上先送りすることのないよう、しっかり議論していく必要がある」と改革論議の促進を訴えた。

安藤伸樹委員(全国健康保険協会理事長)は、「最終報告が年末に先送りされたが、2022年には団塊の世代が後期高齢者になり始めることから、医療保険制度改革のために残された時間はほとんどない。部会においては、検討会議の議論を待つのではなく、専門家集団として粛々と議論を進めるべき」と指摘した。

参考人として出席した日本経済団体連合会の井上隆常務理事は、「公的医療保険制度の持続可能性をどう維持していくのか引き続きこの部会で議論すべきだ」と指摘した。

松原謙二委員(日本医師会副会長)は、制度改革の主要論点と目される後期高齢者の自己負担のあり方について、「原則1割を守ることが高齢者の安心につながる」との認識を示した。

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