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健保ニュース 2020年2月下旬号

全国高齢者医療・国保主管課長会議
2022年対応が必要
制度の持続安定性の確保が課題

厚生労働省は18日、「全国高齢者医療・国民健康保険主管課(部)長及び後期高齢者医療広域連合事務局長会議」を開催し、高齢者医療や国保をめぐる現状、課題等を説明した。

会議の冒頭あいさつした谷浩樹保険局長は、2022年に団塊の世代が後期高齢者に移行し始め、社会保障全体の給付費の増加が見込まれる一方、支え手となる現役世代は減少傾向にあるとし、2022年以降の短期的な対応とともに、2040年を見据えた中長期的な対応が求められているとの認識を示し、今後、政府の全世代型社会保障検討会議の中間報告に沿って、社会保障審議会などで検討を進めていくと述べた。

込山愛郎高齢者医療課長は、高齢者医療をめぐる動向や令和2年度予算案、高齢者の保健事業などについて説明した。高齢者医療については、「今後の後期高齢者の急増を踏まえ、高齢者医療制度は高齢者のために何をしなければならないのか考えなければならない」と述べ、制度の持続安定性の確保や高齢者の健康をどう守っていくかが大きな課題となるとした。

後期高齢者医療制度については、「ここ数年だけが問題ではない」と指摘。すべての団塊の世代が後期高齢者入りする2025年だけではなく、その10年後も見据える必要があるとし、「2035年になった段階で制度をどうするかを考えるのではなく、今の段階から対応策を検討していかなければならない」との考えを示すとともに、誰もがより長く元気で活躍できる社会の実現をめざし、多様な就労・社会参加や健康寿命の延伸などの政策課題にも取り組むとした。

後期高齢者の窓口負担割合の見直しについては、「中間報告にも示されたように、高齢者の疾病、生活状況等の実態を踏まえ、丁寧に議論していかなければならない」とし、年齢階級別の1人当たり医療費や窓口負担額、外来受診回数、収入状況などのデータをもとに検討を進めていく必要があるとした。合わせて、「現役世代の負担を軽減する視点も重要であり、総合的に考えていかなければならない」と述べた。

後期医療費18.1兆円
公費負担割合は47%

込山課長は、令和2年度予算ベースの高齢者医療制度の財政状況を説明した。
 2年度の後期高齢者数は約1800万人、後期高齢者医療費は18.1兆円と見込んだ。後期高齢者医療給付費は、原則公費5割、後期高齢者支援金(現役世代の保険料)4割、後期高齢者の保険料1割の構成で負担する仕組みとなっているが、現役並み所得の後期高齢者の給付費には公費負担がなく、その分は現役世代の保険料による負担となるため、実際の公費負担割合は47%にとどまる。

このため、2年度の公費負担は7.9兆円、後期高齢者支援金は6.8兆円(給付費の41%相当)、後期高齢者の保険料は1.4兆円(同8%相当)となる。後期高齢者支援金の内訳は、健保組合2.1兆円、協会けんぽ2.2兆円、共済組合0.6兆円、都道府県等1.9兆円となっている。このほか、後期高齢者の保険料軽減措置や高額医療費の支援等のために約0.6兆円の公費が投入される。

2年度の前期高齢者数は約1680万人で、前期高齢者給付費は6.9兆円。これを前期高齢者の加入率等で財政調整すると、健保組合は1.6兆円、協会けんぽは2.6兆円、共済組合は0.5兆円、都道府県等は2.2兆円の負担となる。

財政の都道府県単位化
給付と負担を透明化

熊木正人国民健康保険課長は、国保を取り巻く現状や「財政運営の都道府県単位化」に伴い都道府県と市町村に期待する役割等を説明した。このなかで、大きな課題として、▽法定外繰入等の解消▽保険料水準の統一に向けた取り組み▽医療費適正化の更なる推進─の3点をあげた。

法定外繰入等の解消については、「医療保険制度としての給付と負担の透明化に加え、国保制度に対する公費拡充に伴い、財政状況の見える化が強く求められている」とし、「市町村ごとの状況分析を行いつつ、早期に着実な解消を図ることが重要である」と述べた。

保険料水準の統一に向けては、「まずは、改めて(関係者間で)議論を深めることが重要だ」と指摘し、地域の実情を踏まえ、統一化の定義や前提条件、さらには保険料算定方式の統一、標準保険料率と実際の保険料率の見える化などに取り組むよう求めた。

山下護医療介護連携政策課長は、医療保険のオンライン資格確認の概要について説明した。このなかで、2021年3月のオンライン資格確認の導入に向け、各保険者におけるマイナンバーカードの取得支援や、医療機関・薬局におけるマイナンバーカード読み取り端末やシステム導入に積極的に取り組む方針を示すとともに、関係者に対し協力を求めた。

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