HOME > けんぽれんの刊行物 > 健保ニュース > 健保ニュース 2020年2月中旬号

健保ニュース

健保ニュース 2020年2月中旬号

協会けんぽ
後発品使用の緊急対策
差額通知は15歳以上に拡大

全国健康保険協会(安藤伸樹理事長)は4日、政府が目標に掲げる後発医薬品の使用割合80%の達成時期が9月に迫るなか、現状のままでは協会けんぽにおける達成を困難とみて、一層の使用促進に向けた緊急対策を発表した。

協会けんぽの後発品使用割合は、令和元年9月診療分で76.9%。今年9月の目標達成に向けて月平均に換算すると0.25%以上の伸び幅が必要となるが、平成31年1月診療分の76.0%からの月平均の伸び幅は0.1%と伸び悩んでいる。

このため、現状の取り組みにテコ入れを図る必要があると判断し、▽後発品軽減額通知サービスの対象者の拡大▽医療機関・保険薬局への訪問強化─を柱とする緊急対策を実施することにした。

軽減額通知サービスは、先発医薬品を後発品に切り替えた場合の薬代の軽減可能額を協会けんぽ加入者に通知するもので、平成21年度から実施している。

これまでは18歳以上の加入者に通知していたが、今年2月の通知から対象年齢を引き下げて、15歳以上に範囲を拡大する。約7割の市区町村で15歳の年度末に医療費助成が終了するため、後発品への切り替えにつながりやすいと考えた。

同協会は、後発品使用促進を医療費適正化の主要施策と位置づけている。平成30年度の通知約670万件のうち後発品への切り替えは28%相当の約186万件で、年間の軽減効果は約330億円と推計している。

もうひとつの緊急対策である、医療機関・薬局への訪問強化は、厚生労働省が定めた重点地域(東京、神奈川、山梨、愛知、京都、大阪、広島、徳島、高知、福岡)を中心に展開する。

同協会では、加入者のレセプト分析にもとづき、個々の医療機関・薬局に向けて、後発品の使用割合向上に寄与する医薬品の処方状況や、所在する都道府県でよく使われている後発品リストなどの情報を掲載したツールを作成し、平成28年度から情報提供している。

主に郵送で情報提供していたが、今後は、後発品の使用割合が低く、都道府県平均の向上に寄与する医療機関・薬局に積極的に訪問、説明して後発品使用をサポートする。その際、19歳以下で後発品の使用割合がとくに低いことから、特別な事情が無い場合は、後発品の使用を推奨するよう要請する。

けんぽれんの刊行物
KENPOREN Publication

2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年