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離れて暮らす親のケア vol.162

介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

介護で仕事を休んでも給与をもらえる?

親などに介護が必要になった場合、介護休業を取得できるケースがあります。要介護状態にある対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限として分割取得が可能で、育児・介護休業法という法律で定められています。では、休んでいる間の給与はどうなるのでしょう。

Tさん(50代)の母親(80代)は実家で1人暮らしをしています。昨年、母親は転倒して骨折し入院。退院後は自宅に戻りましたが、そのケアを行うために、Tさんは30日間、介護休業制度を利用して実家に滞在したそうです。「休んだ期間の給与は出ませんでしたが、介護休業給付金が出たので助かりました」とTさん。その後母親は1人暮らしを継続していますが、先週、またまた転倒して入院。「今回は打撲なので10日ほどで退院できそうです。退院後は、介護休業を取って実家へ行くかもしれません。ただ、2度目でも給付金は出るのかどうか……」とTさんは心配していました。

介護休業期間中の給与については法律に定めはなく、多くの企業では無給です。一方で、雇用保険制度により親などの介護のために休業(介護休業)する際、一定の条件を満たした場合に介護休業給付金が支払われます。支給額は賃金のおよそ67%。支給対象となる同じ家族について、93日を限度に3回まで支給されます。つまり、Tさんの場合、残りの63日までなら今回も給付金は支給されるでしょう。

介護休業給付金は、介護休業の終了後に、原則事業主がハローワークに申請することになっています。分からないことや心配なことは、介護休業のことも含めて、勤務先の人事や総務に相談しましょう。 

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