健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.104

「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
理事長 山口 育子
セルフメディケーションって すぐに病院を受診してはダメ?
相 談私(74歳・女性)はとても心配症で、体調に変化があるとすぐにかかりつけ医を受診します。60代の頃は体調を崩すことはそれほどなかったのですが、70代になってからは体力の衰えを感じるようになり、不調も増えたのです。しかし、自分では不調だと思って受診しても、検査結果で異常が見つかることはほぼありません。毎回、「血液検査も尿検査も異常なしでした。病気ではないから気にしなくていいですよ」と言われることが続いています。
ただ先日、38℃の熱がでたので、いつものようにかかりつけ医を受診しました。コロナとインフルエンザの検査結果は、いずれも陰性でした。「酷暑が長く続き急に秋らしくなり、寒暖差で体調を崩す人が増えています。あなたもそうなのでしょう」と言われ、薬が処方されました。
処方箋を持って薬局に行き、薬剤師から聞かれるがままに今回の症状やこれまでの受診などについて話をしたところ、「今はセルフメディケーションが大事なんですよ」とセルフメディケーションについて書かれたチラシを渡されました。読んでも私がどうしたらいいのかよく分からなかったのですが、ちょっと体調を崩したぐらいで医療機関を受診することはいけない、という意味なのでしょうか。
回 答COML(コムル)理事長 山口育子
WHO(世界保健機関)はセルフメディケーションを「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義しています。不調を自分で手当てするためには、栄養バランスのとれた食事や適度な運動、十分な睡眠など体調管理を継続して、日頃から健康を意識することが大事です。
軽度な不調であれば、薬局の薬剤師に相談して市販薬を使用して様子をみます。必要に応じて受診することは早期発見、早期治療のために必要なこともあるので、一概に受診がダメというわけではありません。しかし、日常から自分の身体と向き合い、「この程度なら受診しなくても、薬局で薬剤師に相談して市販薬を一緒に選んでもらおう」「この状態はいつもと違うから受診しよう」と判断できるようになることが大事です。
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え
提供:健康保険組合連合会 
放送:ラジオNIKKEI 第1 毎月第4金曜日 17:30~17:50
聴取可能アプリ:radiko、Apple Podcasts、Spotify
      
    