健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.102
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
理事長 山口 育子
マイナ保険証、病院で勧められたけど個人情報が漏れないか心配
相 談私(72歳・女性)が定期的に受診している病院で、最近、マイナンバーカードを診察券代わりにするシステムが導入されました。病院の職員からチラシを渡されたので、「どういうことですか?」と尋ねたところ、「昨年(2024年)12月に健康保険証の新規発行が終了し、これからはマイナンバーカードが保険証代わりに使用されるシステムになり、それを“マイナ保険証”と呼びます。さらにマイナ保険証を診察券代わりにすれば患者さんは1枚で済むので、当院ではこれからご理解いただいた患者さんには随時、マイナ保険証を診察券代わりにしていただくことにしたのです」と説明されました。
私はマイナンバーカードって何だか怖くて、まだカードを作っていません。マイナンバーカードには12桁の数字が記載されていて、それを病院の人に読まれたら、いろんな情報が勝手に漏れるのではないかと心配です。
先日、電話をかけてきた娘にそのような不安を話したら、「お母さんもこれからさらに高齢になると、複数の病院にかかる可能性が高いでしょ? マイナ保険証にすれば、ほかの病院で出されている薬も全部把握してもらえるらしいから、正確に情報が伝わっていいんじゃない?」と言われました。そのようなことまで自動的に伝わってしまうのですか? 不安です。
回 答COML(コムル)理事長 山口育子
マイナ保険証で保険の資格確認をしたり、診察券代わりに使用したりする際は、患者自身がカードリーダーにカードを入れ、顔認証か暗証番号で本人確認をします。そして、番号ではなく、カードに内蔵されているICチップで必要な情報だけを読み取るシステムです。
このシステムを使うと、保険の資格確認だけでなく、患者が同意すれば、レセプトなどから抽出された3年分の医薬品情報や5年分の特定健診情報、医療機関の受診歴、手術の情報などが医療者に共有されます。嫌な場合は同意を拒否できます。マイナ保険証として使用するには、マイナポータルなどで登録が必要です。今後は救急車を呼んだ際に救急隊や搬送先の病院との情報共有にもマイナ保険証が活用されていきます。利点を理解して活用を考えてみましょう。
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え
提供:健康保険組合連合会
放送:ラジオNIKKEI 第1 毎月第4金曜日 17:30~17:50
聴取可能アプリ:radiko、Apple Podcasts、Spotify