健保ニュース
健保ニュース 2025年11月中旬号
上野厚労相が会見
世代内、世代間の公平を確保
全世代型社保構築を一層推進
10月21日に就任した上野厚生労働相は同月30日、厚生日比谷クラブに加盟している専門紙・誌の合同取材に応じ、医療保険制度改革に対する考え方などを語った。
社会保障審議会医療保険部会で制度改革の論議が進んでいる中、改革の基本的な視点として、▽世代内、世代間の公平をより確保し、全世代型社会保障の構築を一層進める▽高度な医療を取り入れつつ、セーフティーネットの機能を確保する▽現役世代からの予防づくり、出産などの次世代支援を進める▽患者に必要な医療を提供しつつ、より効率的な給付とする──ことを重視し、「具体的な政策を生み出していきたい」と述べた。
併せて、連立政権合意書を踏まえ、「与党とも十分相談して、政府としてしっかり検討を進めていく」と話した。
現役世代の負担軽減にどう取り組むのかを問われ、「高齢化の進展に伴い社会保障給付費は今後も増加が見込まれる。能力に応じて全世代が支え合う全世代型社会保障の構築に向けて、社会保険料の負担軽減を図りながら、制度の持続可能性を高めることが重要だ」と指摘した上で、「連立政権合意書も踏まえて現役世代の負担を軽減できるよう、与党と十分相談しながら丁寧に検討を進めていきたい」と答えた。
高市首相が唱える「攻めの予防医療」に対する取り組みでは、上野氏自身が会長の「明るい社会保障改革推進議員連盟」で予防・健康政策に携わってきた経験に触れ、「この分野に力を入れてがんばっていきたい」と強調した。「特に大腸がんや子宮頸がんは、自治体で検診した後の精密検査の受診率が他のがん種に比べて低いことは課題だ」と語った。