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健保ニュース 2025年10月中旬号

6年医療施設調査・病院報告
病院「減」、診療所「増」続く
1日平均 外来患者1.7%減

厚生労働省は9月26日、令和6年の「医療施設(動態)調査・病院報告の概況」を公表した。6年10月1日現在の全国の医療施設数は、前年比189施設減の17万9645施設(休止・1年以上休診中の施設を除く)となった。

このうち「病院」は8060施設(前年比62施設減)、「一般診療所」は10万5207施設(同313施設増)、「歯科診療所」は6万6378施設(同440施設減)で、病院の減少、診療所の増加傾向が続いている。

病院のうち、一般病院の施設数を診療科目別にみると、「腎臓内科」(同46施設増)、「糖尿病内科(代謝内科)」(同38施設増)などが増加する一方、「内科」(同51施設減)、「外科」(同42施設減)などが減少した。

医師の偏在や不足が指摘されている「小児科」を掲げる施設は2427施設(同29施設減)、「産婦人科」または「産科」を掲げる施設は1245施設(同9施設減)だった。

療養病床を持つ施設は、病院が65施設減の3338施設、一般診療所が75施設減の431施設となった。

病床総数は1万4663床減の154万2357床で、このうち病院は1万1338床減の146万9845床、一般診療所は3329床減の7万2451床。病院と一般診療所の療養病床の合計は6042床減の27万2609床だった。

病院の1日平均在院患者数は0.8%増の113万3196人、1日平均外来患者数は1.7%減の121万2243人となった。平均在院日数は25.6日で、前年より0.7日短縮した。


─医療施設(動態)調査─

医療施設調査は全国の医療施設の分布や整備の実態を明らかにし、医療施設の診療機能を把握することを目的としている。今回の「動態調査」は、3年に1回、全医療施設の実態を詳細に把握するために実施する「静態調査」の結果に、毎月の医療施設の開設、廃止などの状況を反映させたもので、5年10月1日から1年間を調査期間とした


【施設数】

5年10月1日時点で稼働中の全国の医療施設数は、前年比189施設(0.1%)減の17万9645施設。

このうち一般診療所は、「有床」が226施設(4.0%)減の5415施設、「無床」が539施設(0.5%)増の9万9792施設だった。

施設数を開設者別にみると、病院は「医療法人」が5626施設(病院全体の69.8%)と最も多く、次いで「公的医療機関」1182施設(同14.7%)、「その他」796施設(同9.9%)、「国」317施設(同3.9%)、「個人」92施設(同1.1%)、「社会保険関係団体」47施設(同0.6%)の順となっている。

一般診療所は「医療法人」4万7711施設(一般診療所全体の45.3%)と「個人」3万8719施設(同36.8%)が多く、合わせると一般診療所全体の8割を超える。

病院数を病床規模別にみると、200床未満の中小病院(5662施設)が病院全体の7割を占める。


【病床数】

病院の病床数は146万9845床で、前年に比べ1万1338床(0.8%)減少し、「感染症病床」を除くすべての病床の種類で減少した。このうち「一般病床」は3134床(0.4%)減の87万9728床(病院の全病床数の59.9%)、「療養病床」は5224床(1.9%)減の26万8521床(同18.3%)。

一般診療所の病床数は3329床(4.4%)減の7万2451床で、このうち療養病床は818床(16.7%)減の4088床となった。

人口10万人あたりの一般病床数の全国平均は710.6床。都道府県別では、高知県が1169.1床と最も多く、次いで大分県(1084.1床)、北海道(1010.4床)などの順。

一方、最も少ないのは神奈川県の504.2床で、埼玉県(525.7床)、愛知県(532.4床)などが続き、最多の高知県と最少の神奈川県で2.3倍の差が生じている。

また、療養病床数の全国平均は216.9床。都道府県別では、最多が高知県の657.6床、最少が京都府の132.5床で、差は5倍となっている。


─病院報告─

病院報告は全国の病院、療養病床を持つ診療所における患者の利用状況を把握することを目的に実施している。報告期間は6年1月1日からの1年間(毎月報告)。


【患者数】

6年の1日平均在院患者数は前年比9542人(0.8%)増の113万3196人、1日平均外来患者数は2万1460人(1.7%)減の121万2243人となった。

一般病床の人口10万人あたりの1日平均在院患者数の全国平均は521.1人で、16.9人増加。都道府県別では、高知県(876.5人)が最も多く、埼玉県(385.4人)が最も少なかった。


【病床利用数】

病院の病床利用率は77.0%で、前年より1.4ポイント上昇した。
 病床の種類別にみると、「療養病床」が85.0%(前年比0.9ポイント増)と最も高く、次いで「精神病床」81.4%(同0.2ポイント減)、「一般病床」73.3%(同2.5ポイント増)、「結核病床」26.6%(同0.2ポイント減)、「感染症病床」13.1%(同147.7ポイント減)の順となった。


【平均在院日数】

病院の平均在院日数は25.6日で、前年に比べ0.7日短縮した。
 病床の種類別では、「精神病床」が255.0日(前年比8.2日減)と最も長く、「療養病床」117.4日(同2.2日減)、「結核病床」49.4日(同7.3日増)、「一般病床」15.5日(同0.2日減)、「感染症病床」9.2日(同4.1日減)と続き、結核病床を除くすべての病床で短縮した。

また、「一般病床」の平均在院日数の全国平均は15.5日。都道府県別では、最長の高知県(20.2日)と最短の愛知県(13.1日)で7.1日の開きがある。

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