HOME > けんぽれんの刊行物 > 健保ニュース > 健保ニュース 2025年10月中旬号

健保ニュース

健保ニュース 2025年10月中旬号

診療報酬改定の基本方針
医療部会 厚労省の例示に異論なし

社会保障審議会医療部会(部会長・遠藤久夫学習院大学長)は3日、前回会合に続き令和8年度診療報酬改定の基本方針について議論した。厚生労働省が例示した改定にあたっての「基本認識」などの方向性に委員から異論はなかったが、「現役世代の負担軽減」や「メリハリのある改定」、「医療機関の経営状況に関する記載の強調」などを求める意見が上がった。

この日の会合は9月26日の医療保険部会と同様に、厚労省が「基本認識」や「基本的視点」、「具体的方向性」の記載例を示し、これに基づき議論した。

健保連の米川孝副会長は、例示通り医療保険制度の持続性や現役世代の負担軽減について記載することを要望した。

また、医療提供体制の確保を診療報酬だけで賄うことは難しいとし、「診療報酬で対応する部分とその他の財源で対応する部分を切り分けて議論するべきだ」と述べた。

佐保昌一委員(連合総合政策推進局長)は、医療保険制度の持続可能性や国民負担の状況、医療従事者の処遇改善などを総合的に考慮した改定率を前提としつつ、「診療報酬改定は重点項目と適正化項目に分け、メリハリのある改定とするべきだ」とした。

岡俊明委員(日本病院会副会長)は基本認識に例示された医療機関の機能分化に関して、病院の役割分担の重要性には理解を示したが、「多くの病院が現在の経営状況では破綻する恐れがあるため、病院の経営基盤を担保した改定にしてほしい」と述べた。

また、医療機関を取り巻く環境の変化への対応について、「改定が2年に1回で変化のスピードに追いつかないため、2年間の変化を想定した大胆な改定や期中改定を前提とした対応が不可欠だ」と要望した。

角田徹委員(日本医師会副会長)は「医療機関を取り巻く環境は極めて深刻だ」とし、病院や診療所の危機的な経営状況が明確にわかるよう、例示された「医療機関等が直面する各種費用の高騰を踏まえた対応」の記載をさらに強調するよう求めた。

また、OTC類似薬の薬剤給付のあり方の検討について、「保険適用除外にすると患者負担の増加を招く可能性があるため、慎重に検討すべきだ」とした。

けんぽれんの刊行物
KENPOREN Publication

2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年