健保ニュース
健保ニュース 2025年10月上旬号
総合組合の6年度決算
全体黒字も46.9%が赤字
後期高齢者支援金5.1%増
全総協は会員243組合の令和6年度決算概要を9月24日の総会に報告した。経常収支は230億円の黒字となり、前年度から約800億円改善したものの、赤字組合は全体の半分に迫る114組合(46.9%)に上る。保険料収入は5.61%の大幅増となったが、後期高齢者支援金が5.13%伸びており、依然として厳しい財政状況が続いている。
平均保険料率は0.38ポイント増の9.852%(事業主5.053%、被保険者4.799%)で、27組合が保険料率を引き上げた。
協会けんぽの平均保険料率10%以上の組合は103組合で、全体の4割超を占める。内訳は、10%が44組合、10%超10.5%未満が34組合、10.5%以上11%未満が19組合、11%以上が6組合となっている。
経常収入の合計は5.71%増の3兆4549億円、保険料収入は5.61%増の3兆4305億円だった。
経常支出の合計は3.22%増の3兆4318億円で、内訳は▽保険給付費=1兆7949億円(前年度比2%増)▽前期高齢者納付金=6116億円(同4.18%増)▽後期高齢者支援金8215億円(同5.13%増)、保健事業費=1510億円(同3.46%増)──などとなっている。
高齢者医療への拠出金が大きく増える中、保健事業費も3%台の高い伸びを示し、厳しい財政状況でも総合組合が加入者の健康維持、増進に積極的に取り組んでいる実態がうかがえる。
義務的経費に占める拠出金の負担割合は44.71%で、1.5ポイント増となった。
経常収支差引額は230億円の黒字で、経常黒字の組合は45組合増の129組合となった。一方、赤字組合は114組合となり、44組合減少した。
総合組合全体では黒字となったが、被保険者1人あたりの黒字額は3000円程度にとどまっており、鈴木会長は「財政状況が改善したとはいえない」と危機感を示した。
被保険者数は681万5259人(同1.8%増)、被扶養者数は376万5958人(同2.49%減)、平均標準報酬月額は37万2927円(同1.98%増)、平均標準賞与額は92万9654円(同3.02%増)だった。
平均介護保険料率は1.756%で、0.133ポイント減少した。11組合が介護保険料率を引き上げた。
