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健保ニュース 2025年9月下旬号

日医が診療所の緊急経営調査
医業利益 医療法人の45.2%が赤字

日本医師会(松本吉郎会長)は17日の定例記者会見で、「令和7年診療所の緊急経営調査」の結果を発表した。医療法人の6年度の医業利益の赤字割合は前年度比13.9ポイント増の45.2%、経常利益の赤字割合は14.6ポイント増の39.2%に悪化したことが明らかになった。

調査は今年の6、7月に実施し、5年度と6年度の2年分の診療所の経営実態を把握し、今後の議論に備えることを目的としている。有効回答数は1万1103件(うち医療法人6761件、個人立4180件)だった。

医療法人の医業利益率は平均値で3.5ポイント減の3.2%、経常利益率は4ポイント減の4.2%だった。中央値は医業利益率が1.1%、経常利益率が2.1%で、いずれも平均値から2ポイントほど低かった。

また、決算期別に利益率をみると、経常利益率(平均値)は6年度の4~6月決算では5.2%となった一方、1~3月決算では3.2%に落ち込み、決算月が遅くなるほど前回の診療報酬改定などの影響を受けて低下する傾向があった。

経営課題(複数回答)について尋ねたところ、「物価高騰・人件費上昇」、「患者単価の減少」、「患者減少・受診率低下」と回答した診療所が過半数に上っており、「施設設備の老朽化」や「近い将来、廃業」などを挙げた診療所もあった。

記者会見した城守国斗常任理事は「物価高騰や人件費上昇に加え、新型コロナの補助金や診療報酬上の特例措置が終了した影響で、経営状況は前年度から大幅に悪化した」とした上で、「次期改定での大幅な手当や早期の補助金、期中改定を含めた緊急かつ強力な支援が必要だ」と訴えた。

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