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健保ニュース 2025年8月下旬号

6年度決算 自治体病院86%が赤字
物価高、人件費上昇で

全国自治体病院協議会(会長・望月泉八幡平市立病院統括院長)は6日、会員病院の令和6年度決算状況調査の結果を発表した。有効回答があった657病院のうち、86%にあたる562病院が経常赤字だった。

会員病院は「物価高騰、人件費上昇が病院経営を著しく圧迫している」として、国に財政措置を要望しており、8年度診療報酬改定での大幅な引き上げや6年度改定で新設したベースアップ評価料の増額を求めている。

赤字割合は、感染症指定医療機関と災害拠点病院で94%、救急救命センターで93%と軒並み高く、地域医療で中心的な役割を担う病院が厳しい経営状況にある。

調査は会員病院の経営状況を把握し、国などへ支援の働きかけを行うことを目的として、6月24日~7月16日に会員の841病院を対象に実施した。

会員病院全体の医業収支は、6257億円の赤字となり、前年度から24.7%、1238億円赤字幅が拡大した。医業収支比率は2.0ポイント減の88.1%と9割を下回った。

外来や入院医療で得られる医業収益は4兆6403億円で、2.0%増えたが、人件費や材料費などの医業費用も4.2%増の5兆2660億円となり、医業収益の伸びを上回った。

経常収支は3633億円の赤字で、93.9%、1754億円悪化した。経常収支率は3.1ポイント減の93.4%だった。

経常収益は0.9%増の5兆1720億円と微増したが、経常費用は4.2%増の5兆5353億円だった。

地方公営企業の病院と公営企業型地方独立行政法人病院の626病院を対象に、医業費用の構成比をみると、職員給与(人件費)が51%で最も多く、材料費が24%、その他が25%だった。各費用の推移は、前年度比で職員給与が105.2%、材料費が103.1%伸びていたが、元年度比ではそれぞれ119.0%、120.1%伸びている。

会員病院からは、診療報酬の引き上げのほか、地方交付税措置の拡充や病院事業債の制度拡充、控除対象外消費税の見直しなどが求められている。

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