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健保ニュース 2024年8月下旬号

中医協が製薬団体等へ意見聴取
7年度薬価改定 在り方見直しや中断を要望

中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)の薬価専門部会は7日、製薬団体や卸団体など、関係業界に意見聴取を行った。

意見聴取は、▽日本製薬団体連合会▽日本製薬工業協会▽日本ジェネリック製薬協会▽米国研究製薬工業協会(PhRMA)▽欧州製薬団体連合会(EFPIA)▽日本医薬品卸売業連合会─を対象に実施した。

製薬協、PhRMA、EFPIAは「2024年度薬価制度改革に関する3団体合同アンケート調査」の結果を報告。

多くの企業が2024年度薬価制度改革によりポジティブな影響が期待できると回答したほか、中間年改定の在り方の見直しを含めた収載後の薬価維持を期待する声が多いとした。

日薬連は、▽物価高騰▽円安▽賃金上昇政策─などにより、依然として国内のサプライチェーン維持に重大な影響が及んでいると問題提起。

そのうえで、「令和7年度に薬価の中間年改定を実施する状況にはない」と強調し、中間年改定の在り方の検討に当たっては、市場実勢価格にもとづく薬価格改定の在り方について、薬価差が生じる要因等の本質的な議論が行われるべきと主張した。

日本医薬品卸売業連合会は、医薬品の供給不足の早期解消が見込まれない状況であることを踏まえ、7年度の薬価改定を中断するよう要望。

中断が難しい場合は、安定供給すべき基礎的医薬品や不採算品再算定品などを医薬品カテゴリーの対象から除外するよう求めた。

健保連の松本真人理事は、7年度の薬価改定について、「内閣において方針転換がない限り、薬価改定の実施内容を議論することが中医協のミッションだ」と発言。

合わせて、「骨太方針2024」にイノベーションの推進や安定供給等が盛り込まれたことに理解を示しつつ、「国民皆保険の持続可能性」が明記されていることも考慮するよう求めた。

他方、昨年の意見聴取で関係業界から示された、「医薬品のライフサイクルにおいて、イノベーション評価と新薬創出等加算の累積額控除は一体で議論すべき」との考え方について、業界の認識を改めて確認。

さらに、「診療報酬改定がない年の薬価改定の最大の目的は国民負担の軽減であり、薬価差が生じている場合、まずは国民に還元すべき」と指摘したうえで、「薬価差に関する本質的な議論がないと市場実勢価格にもとづく薬価改定ができないということはない」と強調した。

松本理事からの質問に対し、日薬連の岡田安史会長は、「特許期間中の革新的な新薬の価値をしっかり守り、特許が満了したら速やかに後発品に切り替えていくという医薬品のライフサイクルの考え方に変更はない」と応答し、制度に組み込むべきとした。

長島公之委員(日本医師会常任理事)は、関係業界から出された意見に関し、「令和6年度薬価制度改革の影響を把握するという意味では、抽象的かつ定性的だ」と問題視。

そのうえで、6年度薬価制度改革を踏まえ、業界や企業で取り組んでいることや、今後取り組むことを明示するよう求めた。

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