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離れて暮らす親のケア vol.104

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

認知症でケアハウスから「退去勧告」

離れて暮らす老親のケアに、コロナの影響が加わりましたが、それ以前からの課題が消えたわけではありません。

M美さん(50代)の母親は故郷のケアハウスに入居しています。父親が病気で亡くなり、その後物忘れが増え2年前に入居しました。ケアハウスは地方公共団体や社会福祉法人などが運営する高齢者向けの施設です。個室になっており、食事など日常生活のサポートを受けられます。福祉施設という位置付けなので、民間の有料老人ホームに比べると費用は安く、さらに所得が低いと利用料が軽減されます。

ただし、一部の介護型のケアハウスを除き、「ある程度自立した生活を送れる」ことが入居の条件です。最近、M美さんの母親は自分で食事を食べることが難しく、認知症の症状も進んでトイレ以外の場所で排泄することもあるとか。とうとう「退去勧告」を受けました。

「うちに連れてきても、私は仕事があります。リモートワークの日が増えたとはいえ、ずっと母親のそばにいるわけにはいきません」とM美さん。かといって、母親の年金は少ないので、有料老人ホームを選ぶことも難しいといいます。

ケアハウスに限らず、特に住宅型の施設では介護の必要度合いが進行すると住み続けられないことがあります。入居の際には、必ず「退去要件」の確認を。移住先を探すにも経済的にゆとりがない場合は、特別養護老人ホームを第一候補に。混んでいて順番待ちのところが多いですが区域を広げて探せば、待機期間の短いところもあると思います。どうしても見つからないときは、一時的に老人保健施設を利用するのも一案です。

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