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離れて暮らす親のケア vol.87

NPO法人パオッコ理事長の太田差恵子さんが、親と離れて暮らす子の介護に関する悩みや不安について、事例を交えながら親のケアを考えていきます。

【コラム執筆】
NPO法人パオッコ
~離れて暮らす親のケアを考える会~
理事長 太田差恵子

まずは「地域包括支援センター」へ

いつ、何がきっかけで親の介護が必要になるのだろうと、戦々恐々としている人は多いと思います。しかし、いざそのときが来ると、何から手を付ければいいのか分からず途方に暮れることもあるでしょう。

Dさん(42歳)の母親は実家で1人暮らしをしています。父親はDさんが子供の頃に亡くなり、一人っ子です。「僕しかいないので、いつかは母の介護に直面すると考えていました。しかし、こんなに早く倒れるとは思ってもいませんでした」。

母親が脳梗塞で入院したのは8カ月前のこと。「高齢者」の定義にはあてはまるものの、まだ67歳という若さです。入院中はバタバタと過ぎましたが、退院が決まったところで、頭を抱えたそうです。「友人や知人に介護をしている人はいません。僕は仕事もあるし、どうやって母を看ればいいのか……」とDさん。

母親が入院している病院の「医療相談室」で退院後の不安を相談すると、「地域包括支援センター」に行くようアドバイスされたそうです。高齢者が地域で安心して暮らせるように対応する公的な相談窓口です。おおむね中学校区に1カ所整備されており、無料で相談することができます。介護保険や自治体が独自に行うサービスの情報提供や申請のサポートをしてくれます。

Dさんは役所で所在地を聞き、すぐに行きました。相談の結果、スムーズに介護保険の申請ができ、母親は「要介護2」と認定されたそうです。退院後、ホームヘルプサービスとデイサービスを利用しながら1人暮らしを続けています。

親のことで悩みが生じたら、1人で抱え込まず、Dさんのようにまずは地域包括支援センターへ行ってみましょう。

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