健康コラム
賢い患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.98
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。
【相談担当】
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
理事長 山口 育子
歯のインプラント治療 休院する歯科クリニックの責任
相 談私(58歳・男性)は3年前に2年かけて、5本の歯をインプラントにする治療を受けました。1年前に治療は終わり、その後は定期的にメンテナンスを受けることになっていました。治療費は5本で150万円を支払い、保証内容として5年間その歯科クリニックでメンテナンスを受けて、何か不備があれば無料で対応してもらえるというものでした。
ところが先日、メンテナンスのためにその歯科クリニックに行った際、会計の段階で事務のスタッフから「このクリニックは休院することになったので、次回の予約は入れられないんです」と言われてびっくりしました。治療中に歯科医からは、「休院」について何の言及もなかったのです。「先生からその話は聞いていません」と言うと、「もう決まったことなので、3月末まで予約のある患者さんだけ対応することになっています」と言い、「分かりません」「すみません」を繰り返すばかり。どれだけ頼んでも、歯科医と会わせてくれませんでした。
その後、何度か交渉に出向いたのですが、少しずつ機材などが減っているので、休院ではなく閉院するのではないかと思います。保証内容が記載された契約書を見ると、休院や閉院について記載されていません。いったいどうすればいいのでしょうか。
回 答COML(コムル)理事長 山口育子
突然の休院にもかかわらず、歯科医からその理由や今後の対応について説明がないというのは、あまりに不親切で無責任な対応だと思いました。特にインプラントの場合、販売会社は30数社あり、170種類ものインプラントがあると聞いています。種類によって使う器具も異なるだけに、販売会社や種類を歯科医師からしっかり情報提供してもらわないと、何か不具合が生じたときに、別の歯科で対応してもらうことすらできない場合があります。
そのようなことをお伝えした上で、「歯科クリニックの責任として必要な情報提供はしてほしい」と休院までに内容証明郵便などの手段を使って、正式に依頼してはどうかとお伝えしました。内容証明郵便は、司法書士などの協力を得ることも一案だとアドバイスしました。
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)
「賢い患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ
詳しくはCOMLホームページへ https://www.coml.gr.jp/
電話医療相談:TEL 03-3830-0644
〈月・水・金 10:00〜13:00、14:00〜17:00/土 10:00〜13:00〉
ただし、月曜日が祝日の場合は翌火曜日に振り替え
提供:健康保険組合連合会
放送:ラジオNIKKEI 第1 毎月第4金曜日 17:30~17:50
聴取可能アプリ:radiko、Apple Podcasts、Spotify