かしこい患者になろう〜患者の悩み相談室〜 By COML vol.17

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ「COML(コムル)」が、読者からの電話医療相談に丁寧に答えていきます。

【相談担当】
NPO法人ささえあい医療人権センター
COML(コムル) 山口 育子

医師の見落としで症状が悪化した疑い

相 談77歳の父は、高血圧と肺気腫で近所の内科医院に約10年間通院していました。肺気腫は長年の喫煙が原因だと言われていたのですが、父はなかなか禁煙ができずにいました。1~2年前からは息苦しさを訴えるようになったのですが、内科医院の医師は「禁煙しないから、肺気腫が悪化して息苦しいんですよ」と言うだけで、とくに追加の検査もしなかったそうです。

ところが、1カ月前から「痰が絡んで苦しい。声も出にくい」と父が言い出し、再び受診しました。すると「声が出ないのはおかしい」と医師がようやく重い腰を上げてCT検査を行うことになりました。その結果、喉に腫瘍ができていて、気道の半分くらいを塞いでいることが分かったのです。医師からは「この状態はウチでは対応できません」と言われ、すぐに県立病院を紹介されました。そこで詳しい検査を受けた結果、咽頭がんで、長くて1年の命と診断されました。

息苦しさを訴えていたのに、詳しい検査もせずに喫煙のせいだと決めつけて見落としたのは医療ミスなのではないでしょうか? 症状を伝えたときにすぐ検査をしていれば、そこまで症状は進んでいなかったと思えてなりません。お金で解決するつもりはありませんが、ミスを認めてもらうにはどうすればいいのでしょうか。

コメント山口育子(COML)

肺気腫になっても喫煙を続けていたために、医師としては息苦しさの訴えは「禁煙しないから悪化している」と思い込んでしまったのでしょうか。そうであったとしても、「肺気腫がどれくらい進んでいるか」という視点で検査をしていれば、もう少し早く咽頭がんが見つかった可能性もあるだけに、たしかにご本人やご家族としては悔やまれることだと思います。

咽頭に腫瘍があったことは、最初に診断をした内科医院の医師も認識しているわけですから、まずは県立病院での診断結果をその医師に伝え、どう考えているのかを聞いてみるのも一案です。ただその場合、どうしても医師側には「賠償を求めての交渉ではないか」と思われてしまうので、あらかじめ「どうして欲しいか」を明確にしておく必要があります。ミスを認めてもらいたいだけならば、「賠償を求めるつもりは一切ない。発見が遅れたことについて、ミスを認めてほしい」と最初に伝えることが大切です。

NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(コムル)

「かしこい患者になりましょう」を合言葉に、患者中心の開かれた医療の実現を目指す市民グループ

詳しくはCOMLホームページへ http://www.coml.gr.jp/

電話医療相談 電話06-6314-1652(月〜金曜日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜正午)

バックナンバー