健保ニュース
健保ニュース 2025年10月下旬号
マイナ保険証 国保の利用率43.6%
スマホ対応3.1万施設
厚生労働省は16日の医療保険部会に、マイナ保険証の利用率やスマートフォンにマイナ保険証の機能を搭載した「スマホ保険証」で受診できる医療機関の状況などを報告した。
マイナ保険証の9月の利用率(マイナ保険証利用件数/オンライン資格確認利用件数)は前月比1.3ポイント増の35.6%となった。
制度別に8月の利用率をみると、健保組合=36.3%(前月比2.7ポイント増)、協会けんぽ=32.5%(同2ポイント増)、共済組合=36.6%(同2.4ポイント増)、後期高齢者医療広域連合=28.8%(同0.4ポイント増)、市町村国保=43.6%(同8.2ポイント増)だった。
市町村国保は7月末の保険証の期限切れの影響で上昇傾向が目立ち、このうち7月に有効期限を迎えた自治体に限ってみると、10ポイント増の46.8%となっている。
また、スマホへのマイナンバーカードの搭載件数は9月末時点で、iPhoneで約250万件、Androidで約35万件。厚労省がホームページで公開しているスマホ保険証に対応した医療機関・薬局の検索ページの掲載施設数は、10月13日時点で3.1万件にとどまっている。同日までのアクセス数は3.7万件だった。
厚労省はこのほか、マイナ保険証を含めたオンライン資格確認でレセプトの返戻・再請求作業が軽減していることや、マイナ救急の実証事業が10月から全国一斉に開始したことなどを報告した。
健保連の佐野会長代理は、健保組合のマイナ保険証利用率の推移が低調なことを踏まえ、「詳細な分析はできていないが、未成年世代を含む被扶養者へのより強力な働きかけが必要だと考えている」と述べ、若年層向けや子育て世代向けの動画の提供などを通じ、一層の取り組みを進める姿勢を示した。
また、さらなる利用促進に向け、子どもの医療などに使用される「医療費助成の受給者証」や「診察券」のマイナ保険証への一体化が重要な取り組みとなると指摘。地域単独医療費助成では、すでに一部の自治体が先行事業を実施していると言及し、「国としてより加速した取り組みをお願いしたい」と要望した。
渡邊委員はマイナ保険証の電子証明書の更新手続きについて、市町村の窓口に足を運ぶのではなく、マイナポータル上で済ませられるような環境整備を求めた。