健保ニュース
健保ニュース 2025年7月下旬号
6年国民生活基礎調査
高齢者世帯数 過去最多を更新
児童のいる世帯は過去最少
厚生労働省は4日、令和6年国民生活基礎調査の結果を公表した。65歳以上の高齢者だけか、高齢者と18歳未満の未婚者だけの「高齢者世帯」は1720万7千世帯で全世帯の31.4%を占め、世帯数、割合ともに過去最高を更新した。一方、「児童のいる世帯」は907万4千世帯で全世帯の16.6%にとどまり、いずれも過去最少だった。少子高齢化の進展がうかがえる結果になった。
調査は保健や医療、福祉、年金、所得などの国民生活の基礎データを得ることを目的に、昭和61年から3年ごとに大規模調査、中間の各年は簡易調査を実施している。6年度は簡易調査で、4万362世帯分の世帯票と、4901世帯分の所得票を集計した。
昨年6月6日時点の全国の世帯総数は5482万5千世帯だった。世帯構造は「単身世帯」が1899万5千世帯(全世帯の34.6%)で最多だった。次いで、「夫婦のみの世帯」が1354万4千世帯(同24.7%)、「夫婦と未婚の子のみの世帯」が1321万8千世帯(同24.1%)と続いた。
高齢者世帯の内訳をみると、「単独世帯」が903万1千世帯(高齢者世帯の52.5%)、「夫婦のみの世帯」が749万8千世帯(同43.6%)だった。
65歳以上の人は4032万6千人で、家族形態は「夫婦のみの世帯(夫婦の両方または一方が65歳以上)」が1628万4千人(65歳以上の人の40.4%)で最も多かった。「子と同居」は1334万6千人(同33.1%)だった。
「児童のいる世帯」のうち、児童が1人の世帯は432万9千世帯(全世帯の7.9%)、2人の世帯は355万6千世帯、3人以上の世帯は118万9千世帯で、平均児童数は1.68人だった。
世帯構造をみると、親と未婚の子のみで構成する「核家族世帯」が784万2千世帯、「三世代世帯」が97万5千世帯だった。
「児童のいる世帯」における母がいる世帯は888万6千世帯。このうち、「仕事あり」の世帯は718万8千世帯で、母がいる世帯の80.9%を占めた。
内訳は、「正規の職員・従業員」が302万8千世帯、「非正規の職員・従業員」が326万4千世帯、「その他」が89万6千世帯だった。
生活が「苦しい」6割
生活意識の状況をみると、生活が「大変苦しい」世帯が28.0%(前年比1.5ポイント増)、「やや苦しい」世帯が30.9%(同2.2ポイント減)で、合わせて58.9%(同0.7ポイント減)だった。「苦しい」は減ったが、「大変苦しい」は増えている。
世帯の種類別では、生活が「苦しい」世帯の割合は、「高齢者世帯」で55.8%、「児童のいる世帯」で64.3%だった。特に、「大変苦しい」世帯の割合は、「児童のいる世帯」が「高齢者世帯」より8.7ポイント高かった。
全世帯の5年中の所得は536万円で、前年に比べ2.3%増加した。世帯別にみると、「高齢者世帯」は314万8千円(同3.2%増)、「高齢者世帯以外の世帯」は666万7千円(同2.4%増)だった。また、「児童のいる世帯」は820万5千円で、前年より1%増えた。
所得金額階級別の世帯分布は、「100万~200万円未満」と「200万~300万円未満」が14.4%で最も高かった。中央値は410万円。平均所得金額以下の世帯の割合は61.9%だった。