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健保ニュース 2025年7月下旬号

東京連合会総会
加入者が満足するサービス提供を
健保組合の魅力発信が生き残りの鍵

健保連東京連合会は14日、第205回総会を開催し、令和6年度の事業報告と収入支出決算を審議し、原案通り了承した。冒頭にあいさつした米川孝会長は、加入者や事業主に満足してもらえるサービスの提供など、「それぞれの健保組合が魅力を持ち、アピールできるかどうかが今後の生き残りの鍵になる」と呼びかけた。来賓として出席し、最近の情勢を報告した健保連の佐野雅宏会長代理は、不安定な政治状況の中での健保組合の味方づくりを重視し、「政治対応や広報活動も含め、より強く健保組合の皆さんをサポートしたい」と述べた。(米川会長のあいさつの要旨は次の通り。)




20日の投開票に向けて連日、参院選の活動が展開されている。有権者の関心は高く、結果によっては政局への影響も考えられることもあり、報道も過熱気味だ。

大きな争点の一つとして社会保障制度改革が挙げられている。「社会保険料を下げる」「手取りを増やす」「医療費の伸びを抑える」など、各党が様々な切り口で有権者の支持を得ようと主張している。

膨張する医療費の伸びを抑えつつ、疲弊している医療現場をどう支えていくのか。我々にとって大切な問題だが、肝心の財源をどうするかについては、各党の主張、議論を聞いても、「国民全体で負担をどう分かち合うべきか」という深い議論につながっていない。

これまで我々健保組合は、給付と適用、保健事業を業務の柱に、国民皆保険を支える立場として機能を果たしてきた。

しかし、気がつけば収入の4割以上を高齢者医療への拠出金として負担し、介護や出産、医療DXへの協力・推進、雇用を守る事業主への支援から子ども・子育ての費用支援、さらには医師の偏在対策も含めた医療提供体制の整備への協力まで、人口減少、少子高齢化という日本が直面する社会課題の解決に向け、議論が置き去りになっている「負担」を担う立場として、貢献することが期待されている。

健保組合の存在意義が大きく変化しているのであれば、我々も変わらなければならない。私は「期待に応じて貢献したいが、それなら我々の考えも聞いてほしい」といったように主張していくべきだと考えている。

ご承知の通り、健保連は「ポスト2025」健保組合の提言をまとめた。今後、対外的に発表する予定だが、すでに組合会などに活用していただいていると思う。

提言は「3つのお願い」「4つの約束」「5つのチャレンジ」という構成になっている。
 「3つのお願い」は、加入者や事業主の皆さんに知ってもらいたい国民皆保険制度の危機的状況と、制度を守るための対策をわかりやすく説明し、我々の主張への共感と支持を取り付けることを狙っている。

また、「4つの約束」と「5つのチャレンジ」は、「3つのお願い」を後押しする健保組合の取り組みと、協会けんぽや他の医療保険制度の枠組みでは不可能でも、我々健保組合にはできる各種事業などを、現在取り組んでいるものと、これから挑戦して取り組みたいものに整理した内容だ。

我々にとっての「お客様」は保険料を支払ってくれる事業主と被保険者、加入者であり、国や行政、医療機関ではない。これらのステークホルダーは、お客様により良いサービスを提供するために連携すべきパートナーだ。

お客様に満足してもらえるサービス、我々の場合は、加入者、事業主に「この健保組合に加入していてよかった」「この健保組合に加入していたから従業員が健康になった」などと思われるような魅力をそれぞれの健保組合が持ち、その魅力をアピールできるかどうかが、各健保組合の生き残りの鍵になると考えている。

今後、本部としても積極的な広報展開を準備しているようだが、各健保組合の幹部の皆さんからも各種発信の機会に、今回の提言を活用して皆さんの言葉として語ってほしい。

東京連合会のキャッチフレーズは「風通しのいい東京連合会、行動する東京連合会」だ。風通しはかなり良くなっていると手応えを感じているが、今後、皆さんとともに具体的な行動につなげるべく取り組むので、引き続き支援をお願いしたい。

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