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健保ニュース 2025年7月中旬号

参院選公約出そろう
与党 給付 野党 減税 物価高対策が争点に
現役世代の負担軽減、具体策で違い

参院選(20日投開票)に向け、主要政党の公約が出そろった。各党とも物価高対策に力を入れており、自民、公明両党は給付金の支給、野党は消費税減税を掲げている。一方、社会保障制度の持続可能性の確保は与野党で一致するものの、医療保険における現役世代の負担軽減については、具体策で違いが見えた。

自民党は6月19日、「日本を動かす 暮らしを豊かに」と題した公約を発表した。「責任政党3つのビジョン」として「強い経済」「豊かな暮らし」「揺るぎない日本」の三つの柱を掲げ、国内総生産(GDP)1千兆円の実現や平均所得5割以上のアップ、子どもや住民税非課税世帯の大人に1人4万円、その他の人に1人2万円の給付などを盛り込んだ。

また、「5つのアクション」として、経済、社会保障、地方創生、外交・安保、憲法改正など重要政策に対する党の考えを提示。社会保障では、厚生年金の適用拡大と基礎年金(国民年金)の底上げ、医療や介護など公定価格の引き上げ、創薬力の強化・医薬品の安定供給などを明記した。

総合政策集「J-ファイル」(7月2日付)では、「国民皆保険の堅持」を掲げ、高齢者医療制度について、現行制度を基本に、世代間の公平性や制度の持続性の観点から、高齢者医療費の負担のあり方を検討するとともに、拠出金負担が過重になることを避けるため、「健保組合への財政支援、協会けんぽへの国庫補助の継続による財政安定化などにより、国民皆保険制度を守る」と記している。

公明党は26日に公約を発表した。「やると言ったら、やり切る。」をキャッチフレーズに、「物価高の克服」「現役世代の所得増」「社会保障の充実」などを柱に据えた。社会保障の充実では、重複検査・重複投薬の是正や医療DXの推進などで「医療費を抑え、社会保険料の上昇を抑制する」とした。

一方、野党側は立憲民主党が10日に公約を発表した。「物価高から、あなたを守り抜く」をスローガンに掲げ、「食料品の消費税ゼロ%」などを軸とする物価高対策を打ち出した。社会保障分野では、高額療養費制度見直し凍結について、「立憲民主党の訴えが実現させた安心への第一歩」と強調し、自己負担額の引き上げは行わないとした。また、補助金の創設や診療報酬のプラス改定で赤字の医療機関を支援すると明記した。

日本維新の会は30日、「社会保険料から、暮らしを変える。」とうたった公約を発表した。社会保険料の引き下げを前面に打ち出し、OTC(医師の処方箋なしで購入できる医薬品)類似薬の保険適用除外や11万床の病床削減、電子カルテ普及率100%達成、高齢者の医療費窓口負担の原則3割への見直しなどで、医療費を年4兆円削減し、手取りを年6万円上げると主張した。

国民民主党は17日、「手取りを増やす夏。」をキャッチフレーズに据えた公約を発表。手取りを増やす政策として、消費税率の一律5%への時限的引き下げに加え、「現役世代の社会保険料軽減」を掲げ、「年齢ではなく負担能力に応じた窓口負担(後期高齢者医療原則2割負担、外来特例の直し)」や「公的医療保険の給付範囲見直し」、「後期高齢者医療制度への公費投入増」などを打ち出した。

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