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健保ニュース 2024年1月中旬号

次期改定へ両側が個別項目の意見
支払側 外来の管理料や加算見直し
診療側は初・再診料引き上げ

中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)は12月27日、総会を開催し、令和6年度の次期診療報酬改定に関する個別項目の議論に向けて、支払側と診療側から具体的な意見を聴取した。次回以降、個別項目の議論を進めていく。

支払側は、健保連の松本真人理事が代表し、限られた財源のなかで医療DXを本格的に活用しながら、患者にとって安全・安心で効果的・効率的な医療を実現するために、真にメリハリの効いた大胆な配分の見直しが必須として、診療報酬の重点項目や個別項目に関する具体的な考え方を説明した。

入院医療は、病床機能の分化・強化と連携を推進することが基本であり、2025年に向けた地域医療構想にもとづく病床再編は十分とは言えず、より踏み込んだ対応が求められると指摘。

急性期は、一般入院基本料の「必要度」の該当患者割合について、急性期病床の機能分化・強化の観点から、シミュレーション結果にもとづき基準を厳格化するほか、「必要度Ⅱ」への統一に向けて届出を要件とする対象範囲を拡大する。

また、「急性期一般入院料1」の平均在院日数について、機能分化を推進する観点から、施設基準を14日に厳格化する。

外来医療は、「生活習慣病管理料」について、月1回の受診を必須とする要件を廃止するとともに、リフィル処方や長期処方に対応可能なことも要件に追加することで、患者負担を軽減する。「特定疾患療養管理料」は、高血圧・糖尿病・脂質異常症を対象から除外し、「生活習慣病管理料」のなかで評価。「外来管理加算」は、同様に計画的な管理を評価する診療報酬である「特定疾患療養管理料」、「生活習慣病管理料」、「地域包括診療加算」と併算定できるため廃止する。

調剤は、「調剤基本料」について、ベースとなる点数を低い水準で一本化し、「地域支援体制加算」によって差を付ける。「調剤基本料」の一本化を将来的な課題として意識しつつ、当面は引き続きメリハリを利かせることで、経営効率の高い薬局に対する評価を適正化する。

医師等の働き方改革の推進は、「地域医療体制確保加算」について、加算の効果と目的のいずれの観点からみても、現行のまま評価を継続する必要性は乏しいため廃止する。

医療従事者の処遇改善は、医療従事者の手元に届くよう、基本的な報酬ではなく処遇改善加算といった方法で対応。受診する医療機関によって自己負担が変わるなど、診療報酬が複雑になりすぎないことも考慮し、賃上げの一部に充てるイメージで最低限の評価にとどめる。

診療側は医師、歯科医師、薬剤師の代表が要点を説明した。
 医科については、介護・福祉サービス等報酬の6年に1度の同時改定であることを念頭に、地域における医療資源を有効活用しつつ、継続して改革を進めるために必要財源を配分すべきと主張。初・再診料、外来診療料の適切な引き上げや、かかりつけ医機能のさらなる評価を求めた。

歯科はホスピタルフィーとしての初・再診料の評価やかかりつけ歯科医機能の明確化とさらなる充実・推進、調剤はかかりつけ薬剤師・薬局機能の充実と拡大、医薬品の供給問題への対応と後発医薬品・バイオ後続品の普及促進などの取り組みの推進が必要とした。

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