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健保ニュース 2023年4月上旬号

中医協・4年度改定の特別調査
リフィル処方箋発行 医師の負担軽減が検討理由
患者への制度の周知など課題

中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)総会は3月22日、診療報酬改定結果検証部会から、「令和4年度診療報酬改定の結果検証にかかる特別調査(4年度調査)」の報告を受けた。

4年度改定の結果検証にかかる特別調査(全10項目)のうち、4年度に実施した①在宅医療、在宅歯科医療、在宅訪問薬剤管理および訪問看護の実施状況調査②精神医療等の実施状況調査③リフィル処方箋の実施状況調査④後発医薬品の使用促進策の影響および実施状況調査⑤明細書無料発行に関する実施状況調査─の5項目を報告した。

このうち、調査③のリフィル処方箋の発行について、「積極的に検討する」と回答した理由をみると、病院、診療所とも「医師の負担軽減につながるから」が最も多く、6割超を占めた。

他方、リフィル処方箋の課題と考えられることについて、「患者や医師への制度の周知」と回答した割合が多いことが明らかになった。

4年度診療報酬改定では、症状が安定している患者について、医師の処方により医師および薬剤師の適切な連携のもと、一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みを設け、処方箋の様式を変更した。

調査③は、病院、診療所、薬局、患者を対象に実施。有効回答数は、病院・診療所が612施設(有効回答率30.6%)、薬局が223施設(同44.6%)、患者(郵送)641人、患者(Web)1000人だった。

病院・診療所調査では、リフィル処方箋を発行した理由について、病院は「症状が安定していたから」が72.2%、診療所は「患者からの希望があったから」が63.9%と最も多い。

一方、リフィル処方箋を発行しなかった理由は、病院は「長期処方で対応が可能だったから(48.6%)」、診療所は「患者からの求めがないから(51.9%)」が最も多かった。

リフィル処方箋の発行について、「積極的に検討する」と回答した理由をみると、「医師の負担軽減につながるから」が病院(61.1%)、診療所(66.7%)ともに最も多く、次いで、「患者の待ち時間が減るから(病院27.8%、診療所33.3%)」などの順。

一方、「検討には消極的」と回答した理由は、「医師が患者の症状の変化に気づきにくくなるから(病院58.5%、診療所73.2%)」、「薬を処方する際には医師の判断が毎回必須と考えるから(病院45.5%、診療所63.4%)」などが多かった。

リフィル処方箋の課題と考えられることは、「患者への制度の周知」が病院54.7%、診療所43.5%と最も多く、次いで、「医師への制度の周知(病院39.6%、診療所24.5%)」、「かかりつけ薬剤師制度の普及(病院25.8%、診療所22.5%)」などと続いている。

薬局調査では、リフィル処方箋の受付経験について、かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料を届け出ている薬局の方が割合は高かった。

患者調査(郵送)では、リフィル処方箋の認知度について、▽制度の内容まで知っている(29.1%)▽名称だけ知っている(25.2%)▽知らない(45.3%)─。

リフィル処方箋に対する医師からの説明は、「ある」の10.3%に対し、「ない」が89.0%と大多数を占めた。

リフィル処方箋を交付された経験は、「ある(7.3%)」、「ない(88.8%)」。リフィル処方箋が交付されていない理由は、「リフィル処方箋を知らなかったから」が48.9%と最も多い。

リフィル処方箋の使用でメリットと感じるものは、「通院にかかる時間的負担(予約・移動・待ち時間)を減らせる」が77.6%と最も多く、次いで、「薬がほしいだけという患者の状況にあっている」(57.1%)、「通院でかかる医療費が安くなる」(53.5%)などの順。

一方、デメリットと感じるものは、「医師に診てもらう機会が減ってしまう」が62.2%と最も多く、次いで、「処方箋を保管しておくことが手間である」(51.6%)、「2回目、3回目の薬のもらい方や、かかる金額がよくわからない」(34.4%)などと続く。

症状が安定している場合のリフィル処方箋の利用について、今後、▽利用したい(21.8%)▽どちらかと言えば利用したい(35.0%)▽どちらかと言えば利用したくない(23.8%)▽利用したくない(16.0%)─で、「利用したい」が過半数を超えた。

リフィル処方箋を利用するにあたり必要だと感じることは、▽信頼する「かかりつけ医」がいること(72.6%)▽信頼する「かかりつけ薬剤師」のいる薬局があること(45.1%)▽患者が自分の服用している薬の効能、副作用を理解していること(41.5%)─などとなっている。

このほか、NDBを用いた集計によると、4年5月診療分でリフィル処方箋を発行した医療機関は病院869施設(全体の11.7%)、診療所2338施設(同3.1%)で、全処方箋に対するリフィル処方箋の割合は約0.04%。

また、リフィル処方箋の薬局での受付回数(4年5月診療分)は2万9950回で、全処方箋の受付回数に占めるリフィル処方箋の割合は約0.05%だった。

健保連の松本真人理事は、「リフィル処方箋を発行した経験のある医療機関では、医師の負担軽減につながっているという実態が見えてきた」と言及。

一方、「リフィル制度の周知をはじめとする具体的な課題もある程度、明確になってきた」と指摘し、「診療報酬による対応だけではなく、電子処方箋のようなシステム的な対応や保険者を含む関係者が全体で取り組むなど、今後の方向性について幅広い視点から議論したい」との考えを示した。

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