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健保ニュース 2023年1月下旬号

協会けんぽ令和5年度収支見込
2133億円の黒字を計上
均衡料率9.78% 準備金残高は5.7月分

全国健康保険協会(安藤伸樹理事長)は12月28日、協会けんぽの令和5年度収支見込を発表した。政府が同月の23日に閣議決定した5年度政府予算案を踏まえて算出した。

協会けんぽの5年度収支見込は、収入総額が11兆2466億円、支出総額が11兆333億円で、単年度収支は2133億円の黒字を計上。年度末の準備金残高は4兆9602億円に拡大し、保険給付費や拠出金の支出に備えて積み立てなければならない法定水準(義務的経費1か月分)の5.7か月分相当に達する。

他方、単年度収支を均衡させた場合の5年度均衡保険料率は9.78%で、前年度と比べ0.24ポイント上昇した。

収入総額は、全国平均保険料率を10%に据え置く前提で推計した。被用者保険の適用拡大の影響で、短時間労働の公務員が協会けんぽから共済組合への適用となり、被保険者数減に伴い保険料収入は減少。4年度決算見込から859億円(0.8%)の減少となる見通しを示した。

健康保険・厚生年金の適用を受ける企業規模要件を従業員数500人超から100人超に見直した被用者保険の適用拡大により、被保険者数は4年度決算見込から49万人(2.0%)減の2459万人に減少。一方、標準報酬月額は同2716円(0.9%)増の30万727円で、保険料収入は同1143億円(1.1%)減の9兆9503億円と見込んだ。

標準報酬月額の伸びを被保険者数の減少が打ち消した格好となった。
 国庫補助等は、4年度末で新たに積み上がる超過準備金に対する国庫返納措置として613億円の減額を織り込んだうえで、同294億円(2.4%)増の1兆2749億円を計上した。

支出総額は、11兆333億円で同1383億円(1.3%)増となった。
 保険給付費は同146億円(0.2%)減の6兆9094億円となり、加入者数が同72万人(1.8%)減の3922万人、1人当たり給付費が同281円(1.6%)増の1万7617円だった。

被用者保険の適用拡大に伴う被保険者数の減で、保険給付費全体は減少。5年度の薬価マイナス改定の影響もあり、1人当たり給付費も微増にとどまった。

高齢者医療への拠出金は、同1869億円(5.2%)増の3兆7735億円を見込んだ。このうち、前期高齢者納付金は同165億円(1.1%)増の1兆5475億円、後期高齢者支援金は同1704億円(8.3%)増の2兆2260億円にそれぞれ上昇。

協会けんぽは、「主に、団塊の世代が後期高齢者になり始めていることで、後期高齢者支援金が増加する」ことと、「3年度の拠出額精算による戻り分(マイナス精算)の影響が小さくなる」ことなどを増加の要因とした。

介護保険料率は前年度比
0.18ポイント増の1.82%

介護分は、令和5年度保険料率について、介護納付金の1兆1135億円と4年度末に見込まれる不足分▲217億円を加味し、前年度比0.18ポイント増の1.82%に設定する。

5年度の介護納付金については、高齢化に伴う介護給付費の増加等を踏まえ、4年度決算見込から641億円(6.1%)の増加を見込んだ。

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