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健保ニュース 2022年12月中旬号

かかりつけ医機能・制度整備案
継続管理要する患者に書面説明
河本専務理事 持病ない患者も対象に

社会保障審議会医療部会(永井良三部会長)は5日、「かかりつけ医機能」をテーマに議論した。

この日の会合では、前回、11月28日の議論を踏まえ、厚生労働省が、「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」の骨格を整理し、改めて提案した。

「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」は、①かかりつけ医機能報告制度の創設による機能の充実・強化②医療機能情報提供制度の拡充─を柱とし、▽国民・患者はニーズに応じて「かかりつけ医機能」を有する医療機関を選択して利用▽医療機関は地域のニーズや他の医療機関との役割分担・連携を踏まえつつ、自らが担う「かかりつけ医機能」を強化─する内容。

医師により継続的な医学管理が必要と判断される患者に対して、患者が希望する場合、医療機関が書面交付などにより、かかりつけ医機能として提供する医療の内容を説明する。書面の具体的な内容や交付手続きは、有識者や専門家の参画を得て、さらに詳細を検討するとした。

厚労省は、来年の次期通常国会への医療法改正案の提出を視野に入れ、年内に制度整備の基本的考え方を取りまとめる意向を示した。

①は、医療機関は、▽持病(慢性疾患)の継続的な医学管理▽日常的によくある疾患への幅広い対応▽入退院時の支援▽休日・夜間の対応▽在宅医療▽介護サービス等との連携─のニーズに対応する機能を都道府県に報告。

報告にもとづき、都道府県は、地域における機能の充足状況や、これらの機能をあわせもつ医療機関を確認・公表したうえで、地域の協議の場で不足する機能を強化する具体的方策を検討・公表する。

他方、②は、厚労省令に「身近な地域における日常的な医療の提供や健康管理に関する相談等を行う機能」と明記している「かかりつけ医機能」の定義を法定化し、国民・患者への情報提供を充実・強化。

都道府県は国民・患者による医療機関の適切な選択に資するよう、「かかりつけ医機能」に関する情報を分かりやすく提供する。

①と②により、▽身近な地域で提供される日常的な医療が充実▽医師・医療機関との継続的な関係を確認▽大病院に行かなくても身近なところで必要な医療を受けることが可能▽誰もが確実に必要な医療につながる環境が整備─などの効果が期待されるとした。

厚労省は、取りまとめ後の進め方について、①は令和5年度頃、医療法にもとづく「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図るための基本的な方針(告示)」を検討し、6~7年度頃に▽個々の医療機関からの機能の報告▽地域の協議の場における「かかりつけ医機能」に関する議論─を行うことを予定。また、8年度以降は、医療計画に適宜反映することとした。

また、②は、5年夏を目途に今後の具体的な情報提供項目のあり方や情報提供の方法を検討。都道府県ごとに公表されている医療機関に関する情報について全国統一のシステムを導入するとともに、報告項目の見直しを反映する。

厚労省が提案した「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」について、健保連の河本滋史専務理事は、総論として、コロナ禍の経験や人口構造の変化を踏まえれば、スピード感を持って大きな改革に取り組む必要があるとの考えを示し、「将来に禍根を残すことのないよう、最終的な姿を意識すべき」と指摘。

「かかりつけ医」に関する国民の関心も高まっているなか、全世代型社会保障構築会議を中心に政府全体で議論が進められていることを踏まえ、現状の見直しに留まらず、しっかりとした改革案とするよう強く訴えた。

各論では、書面交付について、「持病のない患者がこの枠組みに入ってこないのはあまりにもバランスを欠くと言わざるを得ない」と問題視。

これでは全世代型社会保障構築会議が提案している医療機関、患者それぞれの「手上げ方式」とは言えないとの認識を示し、「入り口で対象を狭めず、国民・患者が希望した場合は書面交付を受けられるようにする必要がある」と強調した。

さらに、「かかりつけ医」の役割として、健康医療全般にわたる情報の一元化や調整窓口が想定されることも踏まえれば、患者と医師の関係は1対1を基本とすべきと改めて主張し、取りまとめに反映するよう要望。

また、新設する「かかりつけ医機能報告制度の創設による機能の充実・強化」で、「機能をあわせもつ医療機関を都道府県で確認する」とされていることに対し、「都道府県が確認した結果、質が担保されていなければ認めないということで理解する」と言及した。

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